『らんま1/2』に35年後も出演して

「画業55周年記念 あだち充展」で『タッチ』の作者・あだち充先生と
「画業55周年記念 あだち充展」で『タッチ』の作者・あだち充先生と
【写真】ニューヨーク、アブダビなど、世界各地のイベントに引っ張りだこの日髙さん

 本業の声優としても、日髙は『タッチ』(フジテレビ系)の浅倉南役をはじめ、ジブリ映画『となりのトトロ』の草壁サツキ役、『名探偵コナン』(日本テレビ系)の世良真純役や『呪術廻戦』(TBS系)の九十九由基役など、超人気作で活躍している。

 中でも近年注目を浴びたのが、'24年に第1期の放送がスタートしたアニメ『らんま1/2』(日本テレビ系)の天道あかね役だろう。高橋留美子原作の『らんま1/2』のアニメは、'89年にも放送されており、新シリーズでは当時のメインキャストが再集結。往年のファンからは「あのころのあかねちゃんが令和にいる!」と、歓喜の声が上がった。

「同じ作品の同じキャラクターを35年後に演じる機会はほとんどないので、私自身、とても貴重な経験をさせていただいています。平成版のころは私もデビュー5年目だったので、若さの勢いで演じていた部分もありました。でも今は、高橋留美子先生がお描きになっているあかねちゃんの感情のすべてをすくい上げて、理解できる心の余裕があります。当時は技術が足りずにできなかった演技に挑戦している感覚です」

 新シリーズへの出演を機に原作を読み返し、“平成版とは異なるアプローチ”であかね役を演じているそうだ。

「制作の方から『原作に沿った形で“らんま1/2”を作っていく』というお話を聞いていました。実際、平成版を懐かしむだけでなく、初めて『らんま』を見る若い人も新鮮に楽しめる作品になっています。私自身もせっかく2度目のチャンスをいただいたので、より完全なあかねちゃんに近づけたいと考えながら演じていますね」

 10月から第3期の放送を控えている同作。完全体へと近づいたあかねちゃんに、ぜひ注目したい。

新しい現場へ行くといつも学びがある

ニューヨーク、アブダビ、クエートなど、世界各地のイベントに引っ張りだこ
ニューヨーク、アブダビ、クエートなど、世界各地のイベントに引っ張りだこ

 声優から俳優、生放送のナレーションまで、幅広い活動を続けている日髙。先日インドネシアで開催された「AFAID26(Anime Festival Asia Indonesia2026)」のステージにゲスト出演した際には、日本のアニメ文化が世界に浸透していることを実感したそう。

「まず、現地の方々が、私が話す日本語にすぐさま反応している様子に驚きました。すべてではないと思いますが、皆さん、アニメを見て日本語を学んでいるそうです。特に今は、ネット配信などで世界中の人が昔の作品にも触れられる環境ですよね。

 イベントに来てくれた20代前半の女の子は、最近Netflixで『タッチ』を見てファンになったと話してくれました。タッチのセリフを言ってほしいと頼まれて『甲子園へ連れてって』と言うと、とても喜んでくれて、私もうれしかったです。でも、甲子園って、何かわかるのかな?(笑)」

 インドネシア訪問は、日髙にとっても貴重な経験になったという。

「声優の現場でも『実は、あのアニメが大好きでした』と言ってくれる若手声優の子もいるんです。でも、そう告白してくれるのは、たいてい最終回の収録日。それまでは私と話すときも緊張している様子だったので『もっと早く言ってくれたら仲良くなれたのに!』と思うこともあります。もしかしたら、同じプロとしての意識が働いているのかもしれませんね」

 声優として第一線を走り続ける日髙だが、新しいアニメの現場は今も学びの場だという。

「スタジオに行くと、その作品で求められている演技の空気感がわかるので、自分もそこに合わせて調整していきます。『呪術廻戦』に出演したときは『抑揚少なめでフラットにお願いします』とオーダーされて“削ぎ落とす演技”をしました。新しいアニメに出演すると時代の流れがわかるので、とても勉強になりますね」