僕は芝居にしか行き場がない
現代劇、翻訳劇、商業演劇にミュージカル、アングラまで、多いときで年に5本の舞台に出演。さらに落語家としての顔も持ち、高座にもたびたび上がる。
「舞台はひととおりやりました。やってないのは歌舞伎くらい。以前、中村勘九郎さん、寺島しのぶさんと共演したときに、一度歌舞伎に出てくださいよって言われたんです。あれからずっと待ってるんですけど(笑)」
喜寿を迎えて初の舞台が、朗読劇『古事記』。白石加代子と2人で日本最古の歴史書に挑む。
「古事記に出てくる神々を、人間味あるキャラクターにつくり変えています。セリフも日常会話で、神様なのに大阪弁を使ったりしてね(笑)」
現場は笑い声が絶えず、和気あいあいとしたムードが漂う。白石とは共演歴もあり、「風間ちゃん」「加代ちゃん」と呼び合う間柄。『週刊女性』の撮影が入るというと、白石が「週刊女性? 風間ちゃん、何やったの?」とツッコみ、風間がすかさず、「いや、覚えがないんだけどな……」
と返す。まさに息はぴったりだ。
朗読劇とはいえ動きもあり、それを2人きりで見せる。なかなかハードな舞台になりそうだ。
「大先輩の白石さんがあんなにお元気なのに、自分がハァハァ言ってられませんよね(笑)。とにかく、お客さんに楽しく見ていただく、をテーマにしています」
芝居に向き合う姿勢は今も昔も変わらず。彼を駆り立てるものとは何なのか。
「今でも芝居を続けているのは、そこでしか自己表現の場がないから。最近の俳優さんは、料理ができたり、絵を描いたり、ライブをやったり、多才な人が多いけど、僕はこれしかない。ほかに行き場がないから、芝居しかないんです」
舞台に立っていて、やりがいを感じる瞬間とは?
「幕が下りて、拍手をもらったりすると、やっぱりある種の達成感がある。ライブが好きで、だから落語も続けているんですけどね。自分へのご褒美は、お酒。酒量は全然変わらないですね。ただ、最近は年のせいか、よく転ぶようになりました(笑)。舞台に穴をあけないよう、ほどほどに嗜みたいと思います(笑)」
取材・文/小野寺悦子 撮影/佐藤靖彦


















