ディーン・フジオカが主役のドラマの舞台に

 鎌倉市浄明寺には、その「旧華頂宮邸』と呼ばれる皇室ゆかりの邸宅が、現在も残されているというわけだ。この旧華頂宮邸が同じクール(四半期)の2本のテレビドラマでロケに使用されていたために、SNSなどインターネット上で大きな話題となった。

 2018(平成30)年に地上波の同じクールの人気ドラマで使用されるなど、ドラマ制作の現場で“引っ張りだこ”となっている状況について、邸宅を管理する鎌倉市では「撮影に適した(歴史や雰囲気のある)邸宅が東京都内にはあまりない上に、鎌倉が東京から近く、ロケに便利だという立地条件が背景にあるようです」と説明する。

 旧華頂宮邸が同時に“登場”したテレビドラマは、フジテレビ系列の『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』とテレビ東京系列の『執事 西園寺の名推理』。前者は歌手で俳優のディーン・フジオカが主役を務め、主題歌も歌った作品で、「巌窟[がんくつ]王」の名で知られるフランスの小説『モンテ・クリスト伯』を原作にした復讐劇だ。

 旧華頂宮邸は、ディーン演じる「モンテ・クリスト・真海」こと「柴門暖」の屋敷という設定になっていた。巌窟王とは、15歳の春にパリの貴族・アルベールが親友とともに月旅行へ出かけ、約束された将来、親が決めた婚約者など退屈な日常から抜け出した先に待っていたものが、大富豪のモンテ・クリスト伯爵との出会いだったという物語だ。

 何もかも型破りなその姿に、次第に心惹かれるアルベールだったが、その出会いは少年の運命を揺さぶる壮絶な復讐劇の始まりだったというストーリーで、原作はA・デュマのフランス古典文学の名作である。仲間の罠によって全てを失った若き航海士が地獄の底から甦り、謎の大富豪であるモンテ・クリスト伯爵として裏切った仲間へ復讐していく人間模様が描かれている。

 一方、後者の番組は、テレビ朝日系列で人気を集めた刑事ドラマシリーズ「遺留捜査」で主演を務めた上川隆也が主演。上川演じる「西園寺一」は、ベテラン女優の八千草薫(2019年没)が演じた人物「伊集院百合子」の執事という設定で、数々の事件を見事な“名推理”で次々と解決するストーリーだった。