家田の作品といえば『極道の妻たち(R)』が有名だが、今は極道の取材はしていないという。
「現代の特殊詐欺や闇バイトといった犯罪構造には取材欲が湧きません。『山一抗争』という日本全国を巻き込んだ大抗争が起こったので、闘う男たちの陰にいる女性たちに目を向け、あの作品が書けたのです」
500人以上の遊女の供養を続ける
一方、27年間にわたり毎月、風俗街である吉原(東京都台東区)に向かい、関東大震災で亡くなった500人以上の遊女の供養を続けている。街に出入りしていれば、多くの出会いもある。
「吉原には厳しい研修があり、高いプロ意識を持って、誰にも頼らず、自分の身体で稼いで目的・目標を果たすという女性にも出会えます。学費を稼ぐための医学生など、目標を達成するために自ら選択して働いている人も少なくありません。お金が貯まったらスパッとやめる人もいます。一方で、ホストにハマり、吉原で懸命に働き、2億円貢いだ人もいました」
伝法灌頂を受けて高野山真言宗の僧侶でもある家田は、弘法大師・空海の教えを深く学び、真言宗の布教師としても活動している。
「仏教の教えの本質は、人生には苦しみがあるけれども、それを乗り越えた先に本当の喜びがあるということです。だからこそ諦めてはいけない、投げ出さなければいつか光が見えてくると、作品や法話を通じてお伝えしています」
毎月、四国遍路を行い、1日に20〜30キロメートルを歩破する。都内にいるときも日々の歩数は最低1万2000歩を維持し、霊山登拝行を定期的に行っている。そのために日々、体力を維持しているという。
1日55キロ、2日で110キロ歩いて、疲労骨折もしたし、毎月足を人一倍使っているので、筋肉損傷や捻挫も当然起こる。その中で彼女が伝えたいことのひとつが「肉体への感謝」である。
「病気や痛みに直面すると、多くの方は『痛くて嫌だ』『病気になってつらい、情けない』と、身体を嫌ったり不満を漏らしたりします。でも、生まれた瞬間から私たちの魂は『身体』という器を借りて生きています。
身体こそが一生を共に歩む『同行二人』の最高の相棒なのです。だからこそ『今日も頑張ってくれてありがとう』『痛みのサインを出してくれてありがとう。すぐ治療するね』『もう少し頑張ったら休むからね』と、相棒である身体に感謝と労いの言葉をかけてあげましょう。
『ありがとう』という良い言葉を発していれば、言霊となって自分に良いエネルギーとして返ってきます。身体があってこその自分なのですから、ぞんざいに扱わず愛おしんであげてほしいのです」



















