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ー 工藤公康監督の“野球哲学”
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ー 『短期決戦の鬼』と呼ばれる工藤氏

 6年連続Bクラス、今季もセ・リーグ最下位に沈んだ中日ドラゴンズが再建の切り札として招いたのは、ソフトバンクを7年間で5度の日本一に導いた工藤公康氏だった。投手陣の立て直しに加え、低迷脱却のカギを握るのは、試合運びや打線の組み方にも踏み込んだチーム改革。新監督の野球観をひもとくと、来季の中日を変える「勝利への道筋」が見えてくる。

工藤公康監督の“野球哲学”

「僕が独断専行することは考えていません。例え、自分がやりたいことがあっても、球団からノーと言われればそれはノーです。僕は中間管理職。上の要望も下の要望も聞き、そこのバランスを取るのがプロ野球の監督と位置づけている」

 10月15日、名古屋市内のホテルで開かれた中日の監督就任会見。壇上に立った工藤新監督は、自身が目指す監督像についてこう語った。

「就任会見で印象的だったのは、工藤さんが対話を通じてチームを作ろうとしている点です。選手がどんなプレーヤーを目指しているのかを把握し、コーチ陣と話し合いながら、成長へのきっかけを与えていく。これは選手の主体性を尊重し、周囲がその成長を支える『フォロワーシップ』の考え方にも通じます」(スポーツライター)

 一方で、チームを強くするためには、状況に応じて厳しい判断を下したりすることも必要。選手の声を尊重しながら、勝利に向けて組織をどう動かすか。その手腕が問われることになる。

「工藤監督の野球哲学は、著書や過去のインタビューでも語られています。先発ローテは5人を軸に回し、残る1枠は固定せず、中継ぎやファームで結果を残した投手にチャンスを与える。さらに、相手チームや球場との相性をデータで分析し、日程の空きを利用して登板順を調整。勝つ確率を高めるためにローテーションを柔軟に組み替えるのもその一つです。

 また、試合中の継投では、投球の回転軸に応じて制球のブレを見る『縦横の法則』がポイント。上から投げ下ろし、カーブやフォーク、縦スライダーなどを得意とする縦軸回転型は左右のブレを、スライダーやシュート、カットボールなどを得意とする横軸回転型は上下のブレを注視する。球数で交代を決めるのではなく、投手が本来のフォームを保てているかを見極める観察眼は、百戦錬磨の大投手だった工藤監督ならではと言えます」(スポーツ紙記者)