大浦氏が明かす8年間の劇半制作
正式な契約書は交わしておらず、自分の名前がスタッフクレジットに掲載されることもなかったという。ただ、当時の大浦氏は、そのことを大きな問題とは捉えていなかったと話す。仕事を通じて阪井との関係が続き、その後も複数の作品で劇伴制作に携わるようになったからだ。
「2回目のオファーは、'21年配信のNetflix『未来日記』Season1で、'22年配信のSeason2でも、阪井氏に依頼され制作に関わりました。両シーズンを合わせておよそ12曲を手がけ、報酬は各5万円でした」
しかし、これらの作品でも、自分の名前は作曲者としてクレジットされなかった。こうしておよそ8年間にわたり、阪井からの依頼を受けて劇伴を制作してきたという。
この関係に変化が生じたのが、ドラマ『対岸の家事』の劇伴制作だった。同作の公式スタッフ欄や本編のエンドロールには、音楽担当者として阪井の名前が掲載されているのだが……。
「阪井氏から制作の依頼を受けたのは、'24年12月です。これまでどおり、ドラマのイメージを伝えられ、16曲を制作してデータを提出しました。その中の1曲が、今回の訴訟の対象となっている『声にならない想い』です。
4度目となる今回こそ、自分の名前を作曲者としてきちんと表記してほしい――。そんな思いから、'25年1月18日、楽曲がこれまでと同様に採用されるのであれば、公式サイトのスタッフ欄やドラマのエンドロールに、阪井氏と連名で名前を掲載してほしいと話をしました」
しかし阪井からは、エンドロールや公式サイトに名前を記載することは難しいと説明され、“クレジットを入れることがマストなのであれば、今回の仕事は白紙にすることも考えなければならない”という趣旨の話があったという。
「すでに16曲納品していましたし、断ることで今後の仕事がなくなるかもしれないという不安、阪井氏との関係が悪化するのでは、という恐怖から、今回のクレジット記載はしないことで了承するので、次回からはきちんと扱ってほしいと伝えました」



















