親が元気なうちに対策を進めておけば、負担が減少するのは「遺品の片付け」と同様だ。最後に、空き家にしないための3つの対策を紹介しよう。

①二世帯住宅や賃貸住宅にしておく

 二世帯住宅に建て替えて一緒に住めば、親が亡くなっても空き家になる心配がないのはもちろん、330平方メートルまでの宅地の評価額が80%減額となる「小規模宅地等の特例」も適用される。また、賃貸のまま相続すれば、相続税の評価額が減額になるため、賃貸併用住宅へ建て替える人も増えているとか。

「親が元気なうちに実家を処分することが有効な場合も。相続税対策も含めて1度話し合ってみましょう」(住宅ジャーナリスト・山本久美子さん、以下同)

②自治体の取り組みをチェックしておく

 管理・改修費用への助成など、知らなければ損をする情報も多いので、空き家になる前に1度、自治体へ相談しておくとよい。

「人口減少の地方の場合、空き家の情報を管理して賃貸・売買を促す“空き家バンク”の運営も自治体が担っていることが多いですよ」

 また、空き家を高齢者や子育て交流サロンなど地域サロンへ改修するための助成金を交付(群馬県高崎市)など、地域のユニークな取り組みを知ることで空き家活用の可能性も広がる。

※全国の各自治体の相談窓口や取り組みは「空家住宅情報」http://www.sumikae-nichiikikyoju.net/akiya/でも確認できる。

③相談できるプロを見つけておく

 空き家対策で重要なのは信頼できるパートナー。

「ファイナンスや不動産のプロに相談することが有効な解決策の近道ですね。国家戦略特区の東京、大阪の一部では旅館業法の規制が緩和。空き家を宿泊施設にするという手もあります。空き家をどうするかの選択肢は本当にいろいろ。時間をかけて親・子の意向を反映できるようにしたいですね」