20141021 itsunojo A

 コワモテの顔つきながら、人当たりのよさは折り紙付きという逸ノ城。

「無口に見えますが、逸ノ城はよくしゃべるんです。そして、礼儀正しい力士。高見盛に似たタイプですね。場所中は国技館の支度部屋から南門までぶら下がり取材をするんですが、けっこう距離があるのにずっとしゃべっていますよ。で、最後には必ず“記者さん、今日もありがとうございました”と挨拶してくれます」(スポーツ紙記者)

 相撲ライターの佐藤祥子氏も、逸ノ城の性格のよさは話していてわかるという。

「逸ノ城はおおらかで、すごくシャイなんです。田舎育ちというのもあって、純朴な感じがしますね。“怪物って言われるのもイヤなんですよね”なんて周りに漏らしてるくらい(笑い)。湊部屋が埼玉にあるということもあって、派手に飲み歩くこともないようです。賞金は全部貯金しているみたいですよ」

 貯めたお金は、親孝行に使っていた。

「名古屋場所の後にモンゴルに里帰りしたんですが、そのときに両親に車のランドクルーザーを買ってあげたんです。両親やきょうだいとは今でも仲がよくて、向こうではソーラー電池で動く携帯電話を使って連絡をとっているそう」(佐藤氏)

 一方で、ちょっと心配なのはチヤホヤされて天狗になってしまうこと。

「あの朝青龍も最初はすごく謙虚な好青年だったけど、横綱になると親方の言うことをきかなくなりました。最高位が大関だった親方の地位を越えてしまったからなんです。逸ノ城の師匠である湊親方は前頭2枚目止まりですから、彼は来場所でもう親方の地位を越えてしまいます」(前出・スポーツ紙記者)

 でも、逸ノ城が“朝青龍化”することはなさそうだ。何しろ、勝負よりも相手を思いやるほど優しいのだ。

「今場所では、白鵬関以外に勢関に負けているんですが、土俵際までは追い詰めたんです。でもなぜか、中央まで下がってしまった。そのまま投げ飛ばすと相手が足を骨折してしまうと思ったらしいんです。勝負師としてはまずいんですが、心優しい男なんですよ」(相撲関係者)