HIRO

 5月10日、東京・中目黒の『キンケロシアター』で愛川さんの他界後、初めて姿を見せたうつみ宮土理。愛川さんが亡くなった日から約1か月たつも、ショックからは立ち直れていない様子だった。

「宮土理さんもラジオの仕事をやめちゃって、今後のことは何も考えられないのでしょう。愛川さんが大事にしてきた中目黒の小劇場も、維持が難しくなるかもしれないですね」(ワイドショースタッフ)

 愛川さんの夢であった『キンケロシアター』は’09 年に完成すると、主宰する『劇団キンキン塾』の活動拠点として使用された。他劇団への貸出業も並行していたが、133席という小さい“箱”だけに運営も苦しかったという。

「“元”がとれないだけに公演を申し出る劇団は少なく、愛川さんとしても投資額と維持費を見れば赤字です。それでも彼の、芝居と劇団に対する情熱でもってきたワケです。そんな愛川さんの賛同者のひとりにHIROさんもいたとか」(芸能プロ関係者)

 HIROとはEXILEの元パフォーマーで、何より事務所社長でもあるHIROのこと。愛川さんとの組み合わせは、いささか妙でもある。

HIROさんが手がける『劇団EXILE』は、年に1回ほど『キンケロ』でも公演を行っているんです。普段は1000人規模の劇場を使用する彼らですが、HIROさんはこの小劇場にこだわっているみたいですね」(前出・芸能プロ関係者)

 7月にもメンバー2人の出演舞台を予定。彼らの公演時には『キンケロ』の133席は連日完売で、劇場外にもファンがあふれるという。

 EXILE事務所の所在地であり、メンバーともゆかりのある中目黒は、ファンからは“聖地”とされている。当のHIROもまた思い入れがあるようだ。地域タウンガイド誌『中目の黒本』では、

《どこか「中目黒と一緒に育った」という感覚もあります。これからも中目黒が盛り上がるように、自分たちができる仕事で、中目黒発信で伝えていければと思っています》

 と答えている。同誌には生前の愛川さんも登場、同じく“中目愛”を語っていた。HIROが『キンケロ』にこだわるのは、中目黒でエンターテイメント業を営んできた、先輩との“絆”もあるのだろう。事務所関係者が話す。

「若手にとって小劇場はよい経験の場になっているようで、HIROさんもゲネプロや本番に足を運んで指導にあたっていますよ。今後も『キンケロ』公演は継続していきたいと思っています」

 当の愛川さんの事務所は今後の『キンケロ』について、

「今は6月6日、7日のお別れ会の準備で手いっぱいです。将来はどうなるかはまったくわかりませんが、いま現在は貸館としてご予約も入っていますし閉館ということはありません。『キンキン塾』のほうも追悼公演の案は出ていますが、まだ検討段階です」