7月27日、13歳年下の女優、パク・スジン(29)と電撃婚を遂げたヨン様ことペ・ヨンジュン(42)。会場となったソウルのシェラトングランデ・ウォーカーヒルには、韓国の主要メディアはもちろん、日本のテレビ局や雑誌記者も多数集結し、“元祖韓流スター”としての注目度をうかがわせた。しかし、今回の挙式は完全非公開。その上、結婚式に関連した公式写真も一切、事務所から提供されなかったため、何とか素材を撮らねばと、結婚式の外野では様々な取材合戦が繰り広げられていた。

 チャンスがやってきたのは13時過ぎ。黒塗りの車に乗ったヨン様が現れ、窓ガラスの隙間からファンに向って手を振ってくれたのだが、顔のお披露目はなく報道陣は落胆。帰り際には顔を出してくれるのでは…と期待するムードもあったが、21時頃には終わると思われていた挙式は一向に終わる気配がなし。23時半ごろに、所属事務所スタッフからの「ペ・ヨンジュン氏は相当お酒に酔っており、帰りのご挨拶はできない状況」というお達しがマスコミとファンに向けてあり、結局、ほとんどのマスコミはここで退去を決断。ヨン様の姿を抑えることができぬまま場を去ることとなった。

 その一方で、会場周りの記者たちの絶好の取材対象となったのが、日本から飛んできた200人にも及ぶ“家族”ことヨン様のファンたち。大部分が韓国の旅行会社が主催する結婚式見学ツアーを利用してやってきており、50~60代のマダム世代を中心に、70歳以上の高齢者もちらほら。チャーターした車でやってきた車いす姿のファンもおり、「愛する人の結婚式でも、義理堅く応援を続けるファンたち」といった論調で、韓国の各メディアに紹介された。

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【写真】ホテル敷地内の道路に設けられた、ファンの待機場所。パーティー会場の「アストンハウス」からはだいぶ離れた場所に設けられており、ヨン様の会場入りと帰宅の際、わずかにご対面できただけだった

 日本人以外にも中華系のファンが4~5人ほど来ていたが、韓国人ファンの姿は一切なし。ここ8年、俳優活動をほぼ行っていないのは確かだが、ファンがいないわけでもないのに、と、韓国の記者に尋ねると「韓国では、中高年女性が芸能人の追っかけをする習慣はない」とバッサリ。最近は徐々に変わりつつあるようで、アイドル歌手のコンサートでは30~40代の姿もちらほらと見かけるが、「芸能人の追っかけは学生時代で終わり」という認識がまだまだ強い韓国では、日本の中高年の熱狂ぶりは驚きに値するようだ。

 日本人の視点からも、ヨン様ファンの言動は驚きに満ちていた。まずはその若い感性。最新情報が入ると、スマートフォンでインターネットやSNSを慣れた手つきで操作し、いち早く拡散。そして、お互いを「マロンちゃん」といったニックネームで呼び合い、ヨン様について嬉々と語り合あうなど、その姿は乙女そのものだった。ただ、最前列のベストポジションを巡って延々と小競り合いをしている一団がおり、それはさすがにイタい光景だったが…。また、真夏にも関わらず、朝7時から深夜0時近くまで、路上のアスファルト上でまんじりともせずに待ち続ける体力も驚異的。「ヨン様のおかげで病気が治った」「車いす生活を強いられていたが、歩けるようになった」などなど、以前からまことしやかにささやかれていた“ヨン様の奇跡”の一例を目撃できたような気がした。

 また、取材陣の間で話題になったもののひとつが、ドリンクと食事の差し入れだ。「韓国の芸能人の結婚式取材では、取材陣に食事が用意されるのが普通で、豪華なビュッフェスタイルが用意されたことも」(韓国人記者)とのことだが、ヨン様は「炎天下の中、待ってくれている家族のために」と、ファンにも同じものを支給。スジンが広告モデルをつとめるHANDIUM社の「ダッチコーヒーウォーター」のペットボトル入りコーヒーと、ホテル内のレストラン「明月館」で使用できるクーポンが、200人全員に配られた。筆者もクーポンを利用させてもらい、水冷麺17000ウォン(約1780円)をおいしくいただいた。

【写真】「明月館」の水冷麺
【写真】「明月館」の水冷麺

 新婚旅行先でも、その鑑識眼で他の韓流スターと違いを見せたヨン様。新婚旅行先は海外という大方の予想を裏切り、選んだのは国内の超高級ゴルフリゾートだったのだ。その「サウスケープ・スパ&スイート」は、韓国南部・慶尚南道の島、南海に2013年にオープンしたばかりの施設。海が見渡せる美しいゴルフコースを売りにしており、すでにゴルフ専門メディアでは韓国No.1ゴルフリゾートに選ばれるほど。宿泊施設も豪華で、一番安いスイートルームでも1泊594000ウォン(約62500円)という、庶民にはなかなか手の届かない憧れのリゾートなのだが、ヨン様はまだ一般には貸し出しをされていないビラを2棟貸切にして宿泊。「一般向けの価格は未定だが1千万ウォン(約104万円)を予定している」(リゾート広報担当者)。ホテル側がさっそく「ペ・ヨンジュンが宿泊したリゾート」という広報向けの資料を用意しているところを見ると、日本人ファン向けの宿泊プランが登場する日も遠くないかもしれない。

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【写真】「サウスケープ・スパ&スイート」の外観
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【写真】スイートルームの一例
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【写真】客室やゴルフコースから、リアス式海岸が望める

◆取材・文/古林由香

「週刊女性」の元編集者。現在は韓流専門記者として取材活動を行っている。2015年4月から韓国・ソウルに留学中。