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 9月28日にスタートするNHK連続テレビ小説『あさが来た』。女性実業家のパイオニアである広岡浅子をモデルに、幕末から明治、大正の時代を明るくエネルギッシュに生き抜いた女性の生涯を描く。今回、ヒロインに起用されたのはすでにドラマや映画で活躍する波瑠

 そんな波瑠の魅力について、女性アイドル評論家であり『ザテレビジョン』ドラマアカデミー賞審査員なども務める北川昌弘氏に聞いた。

「今回の舞台は朝ドラ史上初となる幕末。馴染みの薄い設定のため、視聴者に受け入られるか心配な部分もありますが、波瑠さんなら上手く演じてくれると思います。正統派美人のルックスはもちろん、どんな役柄でも自然に演じられる演技力は、幅広い層に支持されるはず」

 良い意味で自己主張のない姿勢も評価できるという。

「同じ事務所に所属する谷村美月さんにインタビューした際に“演じたい役はない。与えられた役を演じるだけ”と話していたのですが、波瑠さんにも同じ雰囲気を感じます。モデル出身だけありイマドキの役も様になりますが、2010年公開の学園が舞台の主演映画『マリア様がみてる』で見せた美少女っぷりも素晴らしかった。どんな作品の色にも染まれるのが、彼女の魅力ですね」

 今回の朝ドラは幕末という設定以外にも珍しい作品だと、北川氏は語る。

朝ドラのヒロインはこれまでの新人抜擢パターンと、杏さんや吉高由里子さんのようにすでに地位を築いている“安パイ”パターンのどちらかでした。でも今回の波瑠さんは、新人という訳ではないけど、世間的にはそこまで知名度があるとは言えない。逆に言えば、NHKが杏さんたち並みに彼女に期待しているということなのでは」

 民放ドラマがパワーダウンしている中、朝ドラ出身の女優が好調な理由についてはこう分析。

「全国で放送しているNHKは幅広い層が見るため、よほど脚本が酷くなければ安定した数字が取れる。そのため名前も浸透するし、成功したら評価される。仮にコケても新人の場合は主演がバッシングの対象になりづらい。一方、民放の場合はコケた場合に主演がバッシングの対象になるため、リスクも高いですよね」

 朝ドラヒロインを演じた女優がブレークしやすいのは、NHKの制作事情も関係しているようだ。

「NHKのドラマプロデューサーって4~5人しかいなくて、そのプロデューサーが順番に朝ドラも大河も担当しているんです。また、NHKって新人を育てるという意識がいまだに強いため、どこかの班に気に入られればその班が担当するさまざまな作品で使う傾向がある。そういう事情も朝ドラ出身の女優が大成しやすい理由だと思います」