haru1217

 朝ドラ『あさが来た』の快進撃が止まらない。9月の終わりに放送が開始されてから、週平均の視聴率はすべて20%超え。日によっては、27%超えも記録している。

 その人気の秘密はどこにあるのか、制作統括を務める佐野元彦エグゼクティブプロデューサーに語ってもらった。

 自分がやりたいと思ったことに突き進むあさ。彼女の魅力をどう描こうと思ったのか?

「彼女は何かがあったとき、一歩下がるのではなく、一歩前に出る、という感じの人物。波瑠さんには、普通の人なら一歩引いてしまう場面でも、“え? 何!?”と踏み出しちゃう感じははずさないでほしい、とお願いしました。そんなヒロインを僕が見たかったということもありますけど(笑い)」

 その感じが出ているシーンは?

「やっぱり新選組が加野屋に踏み込んできたときですね。山本耕史さん演じる土方歳三が来たとき、震えながらでも踏み出したシーン。あと、炭坑で宮尾登美子先生の作品にあるようなタンカを切るところとか(笑い)」

 演じている波瑠が、あさというキャラクターとともに成長していると思うことは。

「すごくあります。僕が見ていて思ったのは、炭坑のくだりです。あのセットはかなり大がかりなもので簡単には作れないので、ある時期にまとめて撮影したんです。スケジュールもタイトで、きれいなセットではなくホコリだって舞うし、石炭を運んだり坑道に入ったり。

 その大変な撮影を乗り切ったとき、あさが太くたくましくなったな、という感じがしたんです。“ああ、これなら経営者になれるわ”というくらいにね(笑い)」

 スタッフの中でで波瑠があさなのか、あさが波瑠さんなのかわからないくらいになっているという。

「“波瑠が来た”みたいになっています。だから今は、もう僕が余計なことを言う必要はなくなったかなと。彼女は僕が思っている、数歩先のあさをやっているという感じがします」