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 7月2日から始まった歌舞伎座『七月大歌舞伎』公演。

「成田屋!」「ヨッ成田屋!!」「海老蔵~!!」

 場内はひときわ大きな拍手が沸き、いつもより威勢のいい“大向こう”がかけられた。

「澤瀉屋の市川猿之助、香川照之こと中車、右近ら人気役者が出演しています。とくに次代を担う市川一門の両雄が顔を合わせるだけに、6月12日より発売されたチケットは大売れ。初日から連日、大盛況です」(歌舞伎関係者)

 主役として君臨するのは成田屋当主、市川海老蔵。今公演を観劇する誰もが、彼を目的に来場したといっても過言ではない。

「6月9日に『スポーツ報知』が、妻である小林麻央ががん闘病中であることを報じました。すると同日の午後、海老蔵はすぐさま会見を開いて“進行性の乳がん”と認めたうえで、質疑にも堂々、隠すことなく臆することなく応じたのです。この潔い会見で“男を上げた”と称賛されたのです」(芸能レポーター)

 現在、治療のため入退院を繰り返しているという麻央。長女の麗禾、長男の勸玄と父子3人で、妻が元気になって帰ってくる日を待っている。

「初めて歌舞伎を見ようと思って来ました。奥さんを大切に思っている海老蔵さんは、すごく素敵です。すっかりファンになってしまいました」

 歌舞伎座に来ていた30代の主婦も、海老蔵の男気に惚れたクチ。歌舞伎初心者の彼女は、『一幕見(ひとまくみ)席』を求めて1時間以上も待っていた。『一幕見席』とは一幕を観劇できる当日券のこと。『七月大歌舞伎 昼の部』の場合、序幕から五幕、大詰からなる『柳影澤蛍火』を2部に分け、そして猿之助の演目『流星』の3部に分けられている。各部1、2時間を1000円~1500円の低料金で楽しめるためツアー団体客や外国人観光客向けの席とも言える。

 そこに“急造”海老蔵ファンが殺到しているワケだ。席はもちろん、立見席でも隙間なく埋まり、すべての幕で連日売り切り状態が続いている。

 7月3日に海老蔵が出演した『おしゃれイズム』(日テレ系)も、動員に拍車をかけている。

 この日もやはり、「わずかな時間を麻央と一緒に過ごしたい」と妻への思いを語り、声を詰まらせた。

 番組では夫あてに直筆メッセージを寄せていた麻央だが、やはり闘病生活は続いているのだろう。今公演に彼女の姿はなかった。

「関係者受付やロビーでは海老蔵の母・希実子さんが毎日のようにひいき筋に挨拶するなど、麻央さんの分までカバーしています。思えば1年以上、麻央さんの姿はなく、ずっと彼女が代役を務めていました。麻央さんの復帰まで一族総出で成田屋を盛り上げているのでしょう」(歌舞伎関係者)