20160412_sanadamaru_2

 大河ドラマ『真田丸』では、真田家の領地を虎視眈々と狙う北条家を束ねる氏政。次男・氏直(細田善彦)に家督を譲りながらも、陰で力を振るう彼を演じるのは、7年ぶりの大河出演となる高島政伸。

「大河ドラマに出演させていただくのは『真田丸』で5作目になりますが、いわゆる“トップ”という役は今回が初めてなんですよ」

 出演者発表のとき“氏政のイメージがわかない”とコメントしていたのだが……。

「その翌日に、三谷(幸喜)さんから僕の携帯に電話がありまして。“イメージがわかないということで電話しました”と(汗)。三谷さんからは、大河ドラマ『武田信玄』で当時の中村勘九郎さん、のちの勘三郎さんが演じられた今川義元のイメージだと教えていただきました」

 三谷からもらったヒントで作り上げた“高嶋版氏政”とは?

「北条は、戦国時代で100年以上続いている稀有な家系です。だから、滅亡するとかそういう危機感があまりなくて、唄とか舞とかが好きだったりと、お公家さんのような余裕のあるイメージがひとつ。

 そして戦略家ですね。戦が好きでたまらないけど、戦場へ行かずに自分の部屋から指令を出して、ほくそ笑んでいる感じ。ゲーム感覚で戦を楽しむというのかな」

 三谷作品に出演するのは今回が2作目となる高嶋。

「家康を演じる内野(聖陽)さんとも話したんですけど、三谷さんの脚本はひと口目はすごくおいしい。でも、ふた口目あたりからわからなくなってきて、いろいろと迷うんです。最初に読んだときにはあんなに取り組みやすかったのに、どうして? と思うくらい。

 あそこまでお互い愛し合っていたのに、どうしてこんなことになったの? という気持ちですよ(笑い)。そして悩んだ末に落ち着くんですけど、それが最初につかんだイメージにかなり似ているんです。本当に奥深い世界です」

 これからドラマの舞台は大坂へ移り、北条家にとっても運命の歯車が狂いだす。

「氏政の残虐な部分は、底が見えないほど残虐に、カラッとしたところは、それこそカリフォルニアのオレンジのように爽やかに(笑い)。それだけの振れ幅が三谷さんの作品の面白さでもありますし、このドラマの後、“北条氏政といえば高嶋政伸”と言っていただけるようになればうれしいです」