8月8日のお気持ち発表で、陛下は天皇の務めについて、宮中祭祀といわゆる公務と呼ばれる行為を重視されてきたことを明かされている。

 そして、「その務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことを、ひとえに念じ」ているとも述べ、皇后美智子さまと築きあげてきた“平成流”の引き継ぎを希望されているようだ。

 両陛下のお気持ちを受け、この冬で長期療養が13年になる雅子さまは、どうお考えになっているのだろうか─。

「将来的に雅子さまが、皇太子さまのなさりように反対したり、異を唱える可能性はあると思います」

 皇室を長年取材するジャーナリストで、文化学園大学客員教授の渡辺みどりさんはそう見立てるが、皇室に新しい風を吹かせようとするとき、守旧派からは反発も予想される。

国際親善を目指し皇室に嫁がれた雅子さまだが、今までの海外訪問は限られたものに('13年4月・オランダ)
国際親善を目指し皇室に嫁がれた雅子さまだが、今までの海外訪問は限られたものに('13年4月・オランダ)

 美智子さまはご成婚直後から宮中での“イジメ”に悩み、皇后になられてからの“バッシング報道”では心労で倒れ、声を失った時期もあった。

「ただ、皇太子さまは公務については両陛下の築かれてきたものを踏襲されるおつもりのようです。

 雅子さまを説得できなかった場合は、おひとりで公務をお続けになると思います。

 一方、最近の雅子さまの公務へのお取り組みを拝見すると、次の代で劇的な見直しをするつもりはそこまではないかもしれません」(渡辺さん)

 これからお代替わりがあった場合、美智子さまと同じ民間出身の“雅子さま流”の変化があるかもしれない皇室と公務のあり方。

 雅子さまは次の「皇后」として、美智子さまから受け継いだ伝統をどう守り、新しい時代に生かされていくのだろうか─。