夫婦は「生きているうちの努力が肝心」

本木雅弘 撮影/高梨俊浩
本木雅弘 撮影/高梨俊浩
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 では、“素”に戻る瞬間を聞いてみると「家族の前」と即答する。'95年に内田裕也樹木希林の娘で、エッセイストの内田也哉子と結婚。劇中では20年連れ添った夫婦仲はとうに冷め切っている設定だが、実生活の妻との仲は?

「普段、私は家にいるとき、“ほっといて〜”という空気を醸しているんですが、この作品を通して、生きているうちの努力が肝心だと思い、返事のボリュームを上げ、反応の種類も増やしました(笑)。

 結局、夫婦って、半分以上は幻想だと思うんです。だけど、それなりに夫婦としてのキャリアができたので、もう替えはきかないだろうなと、妻にはあきらめてもらうしかありません(笑)。彼女は10個下なので、私が早めに退散したら、お次へどうぞという感じもありますが(笑)」

 ふたりの間には、19歳の長男と17歳の長女、6歳の次男がいる。いったい、どんなパパぶりなのだろう。

「わりと私は中性的なお父さんなので、娘とも一緒にショッピングに行ったりします。基本的に上の2人は12歳から海外で寮生活をしていることもあって、一般的な親子関係よりは、もめる時間も少ないですね(笑)」

 その一方、末の子と接しているときは、まるで“ピエロ”状態なんだとか。というのも、

「子どもが柔らかく育つというので極力、褒めて育てています。以前は、子どもに親のよろしくないところも転写されているのを感じて、褒めるのが難しかったけど、3人目にしてようやく実践しています。昔から、樹木さんが“人の成長には互いに育み、育まれる関係性を持つのが大事”と言っていましたが、日々それを実感していますね」