豊洲の住民「もう、どっちでもいい」

 さて、市場が来ないまま年末を迎えることになった豊洲の住民は、移転延期をどう受け止めているのか。

 圧倒的に多かったのは、意外にも「正直、関心がありません」(30代主婦ら)という声だった。

 こんな人も……。

「豊洲のイメージが悪くなりそうですよね。犬が散歩中、雑草を食べると“汚染物質は大丈夫かな”と心配してしまう自分がいるんです」(在住歴1年未満の40代女性)

 怒っている人もいる。

「移転中止で建物を取り壊すなんてことになったら、何年もかけて作業してきた人がかわいそう。“苦労が報われないよね”と話しています。いまごろダメだなんて言うのはおかしい。小池さんは国会議員だったんだから、そのころ言えばよかったじゃないですか。これ以上、税金をつぎ込むのは反対です」(10年以上住む女性)

 築地とは真逆で、おせちのアテがはずれた人も……。

「新市場で新鮮なお魚を買って、盛大な新年会を開こうと思っていました。でも、もう、市場が来ても来なくてもどっちでもいいやって感じ」(50代主婦)

 築地で再整備か、豊洲への移転決行か。見通しが立たないまま時計の針が進む。