撮影/廣瀬靖士
撮影/廣瀬靖士
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勘違いから始まった俳優の道

 そんな彼を俳優の道にいざなった作品があるそう。

「『ふぞろいの林檎たち』で時任(三郎)さんが等身大の大学生を演じられていて、それがすごく自然だった。本当に身近に感じて、僕にもできるんじゃないかって勝手に勘違いしたのを覚えています(笑)。それくらい当時の大学生の空気感が見事に切り取られた作品だったんです。俳優を意識したというか、やってみようと思ったのは『ふぞろい~』のおかげ。僕にいい誤解をさせてくれた作品ですね(笑)」

 阿部寛にとってのヒーロー像とは?

「中学1、2年のときに見てた『子連れ狼』。中学生で見ているのも渋いですけど(笑)。ただ、内容的にはいきなり血が飛んだりとかすごい話ですよね。『座頭市』もそうですけど、昔の時代劇はハードボイルドですごくカッコいいものが多く、ワクワクしながら見ていました。いまだにすごい作品だなって思いますね」

<作品紹介>
『スニッファー 嗅覚捜査官』の原作は、2013年にウクライナで制作された大ヒットドラマ。ロシアでは過去5年のドラマの中でNo.1視聴率を獲得。海外のテレビドラマ祭で数々の賞を受賞し、60か国以上が放映権を取得するなど世界中で話題になっている。日本版の脚本は『ハゲタカ』『医龍」『BOSS』など人気ドラマを量産するヒットメーカーの林宏司。登場人物のキャラクターの濃さと伏線を散りばめた構成力に定評がある。演出は同じく『ハゲタカ』でコンビを組んだ堀切園健太郎。その緻密な映像の描写力は、この作品でも発揮されている。出演者は阿部寛、香川照之、井川遥、板谷由夏、野間口徹、吉行和子ほか。