《古典芸能なら家の芸とか心構えを伝えられるけど、現代劇は確立されたメソッドがないから、俳優本人の生き方や情熱を伝えるぐらいしかできない。僕は演ずることしか才能のない役者バカタイプ。岳はコンピュータも語学もできるから、まったく違う俳優になってほしい。僕から学んでほしいものは何もない》

 父の思いを受け止め、岳大は着実に俳優として成長していった。

喪主を務めた平岳大は「父は幸せだったと思います」と語った

「今年の大河ドラマ『真田丸』では、武田勝頼を演じて強い印象を残しました。これまではあまりいい扱いをされていなかった人物ですが、彼の演技で新たな側面が見いだされたんです。大河ドラマ常連だった平さんは、息子の熱演がうれしかったでしょうね」(テレビ誌ライター)

 平さんが暮らした自宅の近所では、2人で食事をしている姿がたびたび見かけられている。岳大は父と一緒の時間を過ごすことで、役者にとって重要なことを学んでいったのだろう。この街で話を聞くと、平さんの気さくな日常の姿が浮かび上がってきた。

「ひとりで街を歩いているところをよく見かけましたよ。この間は、スーパーで買い物をしていました。大根やネギなどの野菜を買っていましたね。

 スーパーにはちょくちょく顔を出していて、いつもお野菜中心でした。健康に気を配っていたんでしょうね。お元気そうな様子だったので、亡くなったなんて信じられません」(近所の50代女性)

 青果店では、いつも買うものが決まっていた。