食を通じてつながろう!世界をもっと楽しく

山本雅也さん 撮影/森田晃博

「僕は前職、博報堂という広告会社で5年ほど働いていたんですけど、そこですごく思ったことというのが、“メッセージだけでは人は意外と動かないんだな”みたいな。まあ、一瞬動いても、みんなすぐに戻ってしまう。旅に行こうと言ってもブーム的に行ったりはするかもしれないけど、それをもっとずっと持続していけるような仕組みとして世の中に提供したほうが、みんな自然にできるんじゃないかなっていうのは強く思っています。

 この本は僕の原体験が詰まったメッセージではあるんですけど、この本を読んでくださった人が、“ああ、自分も人を訪ねてご飯を食べるっていう体験をしてみたいな”と思ったとき、僕らがキッチハイクっていうウェブサイトを運営しているので、それを使ってもらえれば、同じ体験ができるよと。そのメッセージと仕組みを両方やっているというところが、僕のいちばん発信していきたいところですね」

 キッチハイクは、現在毎月600人以上が利用するサービスに育っています。山本さん個人の体験を広げたい理由は何でしょうか?

「旅の人とかいろんなジャンルで突き抜けた第一人者みたいな人っていると思うんですけど、僕はそこに憧れとかカッコよさとかをあまり感じなくて、むしろ“もったいない!”くらいに思うんですよ(笑)。

 あなたひとりがすごい、で済む時代はもう終わった。本当にできる人なら、もっとやれることあるんじゃ? って、どこか思ってしまうんですよね。本当に何かを変えようとするんだったら、有名になることより、メッセージを放つことより、世の中に根づく仕組みを変えなければいけないと思う。そこは強く意識してるところです」

取材・文/ガンガーラ田津美

<プロフィール>
やまもと・まさや 料理を作る人と食べる人が集まるコミュニティーサイト「KitchHike (http://kitchhike.com)」共同代表・COO。1985年、東京都出身。早稲田大学卒業後、2008年博報堂 DYメディアパートナーズ入社。学生時代から20代前半は、コントの台本を書く。退社後、“キッチハイク”の旅に出る。趣味はビールづくり、浅草探検。