世界中で上演され、1000万人以上が劇場に足を運んだと言われている、メガヒットミュージカル『ビリー・エリオット』。今回、その初となる日本公演が始まるにあたり、ウィルキンソン先生役の柚希礼音が作品の魅力を紹介します!

  ◇   ◇   ◇  

■世界が認めた作品のパワー

 2000年に公開された映画『リトル・ダンサー』が、イギリスのウエスト・エンドでミュージカル『ビリー・エリオット』として幕を開けたのが2005年。その後、10年以上のロングラン公演中にもブロードウェイなど世界中で上演され、1000万人以上が劇場に足を運びトニー賞をはじめ80以上の演劇賞を獲得している。

「初めて見たとき、最初から泣けるシーンがいっぱいで、1幕終わりですでに“めちゃくちゃいい作品!”と私、涙をためていました。特に、クリスマスにビリーのお父さんが雪の中を歩いてバレエのウィルキンソン先生のもとに行き“ビリーをなんとかしてやりたい”と懇願するシーンは号泣です」(柚希、以下同)

■5/1346のビリーたち

写真左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力
写真左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力

 踊ることに夢中になり、夢に向かって走るビリー。日本版のビリーは、応募総数1346人の、変声期を迎える前の少年たちが約1年に及ぶレッスンの中でお互いを磨き合った。最終的に選ばれたのは、写真左から加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力の5人。

 山城は最終審査で惜しくも不合格だったが、海外のクリエイティブスタッフから「本番までの期間で合格ラインに到達する可能性がある」とされ、ほかの4人と一緒にレッスンを継続。2か月遅れで“繰り上げ”合格となった。

「5人については、本当に尊敬しています。学校に行きながら、いつ予習復習しているんだろうというくらい、前回ダメ出しされたところは直っているし、弱音とか疲れたという言葉を聞いたことがないんです。舞台も客席から見やすいよう、斜めになっているので踊るには難しい環境ですが、挑んでいる彼らの姿がビリーと重なって見えています」