その最大の理由は「トークスキルの要らないバラエティ番組が増えた」ということにある。『踊る!さんま御殿!!』(日テレ系)に代表されるような現代の「雛壇トークバラエティ番組」では、単独で笑いを生み出す力のある一流芸人がMCを務めている。

 この手の番組では、ゲストのタレントがどんなことを話したとしても、MCの芸人がそれを面白く料理してくれる。ゲストの受け答えは普通で構わない。だから、ゲストにはトーク力が求められない。むしろ、より重要なのは、視聴者の目を引くような「話題」を用意しておくことだ。

 その点、2世タレントには「親にまつわる話題」という絶対的な強みがある。親が有名人であれば、その人が普段どんな日常を送っているのか、子どもにはどういうふうに接しているのか、ということ自体が興味深いトークテーマとなる。

 普通であれば、駆け出しの新人タレントの話が面白いかどうかなどということは事前にはわからない。だが、2世タレントの場合、親について語れるというだけで、話のクオリティを確実に一定以上に保つことができる。

 最終的にそのトークが盛り上がるかどうかは、MCの芸人に任せればいい。「話題さえあればいい」という状況では、2世タレントは圧倒的に有利となる。

親子が並んでいることはそれだけで十分に価値がある

 また、2世タレントを起用すると、「親子共演」という形で親のタレントを引っ張り出すという展開も期待できる。有名人の親子が横に並んでいるという画(え)は、それだけで十分に価値がある。

 もちろん、子どもを起用することで、親の大物タレントやその所属事務所に対して恩を売ることができる、というのも制作者側のメリットだ。

 ちなみに、トークバラエティ番組に2世タレントが目立つもうひとつの理由は、ドラマや映画の宣伝で俳優がバラエティ番組に出る機会が増えているからだと思う。そもそも「俳優」というジャンルには2世タレントが多い。俳優のバラエティ出演自体が増えているので、それに伴って2世タレントのバラエティ出演も増加しているように見えるのだろう。

 さらにいえば、2世タレントにはタレントとして重要なものが備わっている。それは「人前に出る度胸」だ。2世タレントは親を通して、芸能界やテレビの世界に子どもの頃から親しんでいる。

 自分の親がテレビに出ているのを当たり前の現実として受け止めながら成長している。彼らにとって、テレビ業界は「親の職場」にすぎない。だから、テレビの現場で緊張して固くなったり、必要以上に身構えてしまったりすることがない。