「リセットする」と怪気炎の小池百合子
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 小池氏はアベノミクスの成果にも否定的。29日の会見では「アメリカの法人税は大幅に下げられる流れ。これまでのようなまったりした政治でいいのか」と述べ、この道しかないと言い続ける安倍首相との違いを鮮明にした。

 エネルギー政策でも違いはくっきり。希望の党は小泉元首相の応援もあって原発ゼロを目指しており、原発を順次再稼働させてきた自民党とはスタンスが異なる。'30年までに原発ゼロを実現するための行程を検討するという。

 前出の大谷氏は、「原発ゼロはわかりやすい争点ではある。民進党は'30年原発ゼロ方針を支持母体の連合の猛反発で断念した経緯があり、希望の党も選挙で連合の支援を受ければ同じ。

 連合と間違いなくぶつかります。電力総連などの労働者を抱えていますから。希望の党は稼働中の原発をいつ止めるのかなどの行程を有権者に示さないといけません。大向こうをうならす政策を掲げるだけではダメです」と話す。

 森友・加計学園をめぐる疑惑解明はどうなるのか。安倍首相は「丁寧に説明する」と口では言いながら、野党の臨時国会召集に約3か月も応じず、開会したかと思えばすぐ衆院解散だからひどい。

「安倍首相のウイークポイントはモリ・カケ疑惑です。小池氏は国家戦略特区について“お友達でやっている”と批判し、しがらみ政治からの脱却や情報公開の徹底を訴えています。インチキ、ウソつき、汚いなどとガンガン突き上げれば相当ダメージを受けるでしょう」と前出の大谷氏。

 疑惑払拭のためには安倍昭恵夫人や加計学園理事長の証言はもとより、詳細な証拠提示は避けられない。

 タバコについても両党のスタンスは異なる。東京都は国に先行し、飲食店など屋内原則禁煙とする受動喫煙防止条例の'20年五輪開催前の施行を目指している。国政では通常国会中に厚労省が厳しい受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案の成立を目指したが、自民党の反発で頓挫した。都内だけの話ではなくなってくる。

 前出の大谷氏は、

「小規模の居酒屋やバー、スナックなどは全国でみれば何百万軒とある。店舗面積などで線引きするにしても、喫煙客を持つ店を納得させるのは難しいでしょう。法律をつくるだけでなく違反店のチェックなど実務的なところを詰めないといけない」と話す。

 どんなに聞こえのいい政策でも、実現性が低くては意味がない。問題の急所に目をつぶらず、選挙戦で実現に向けた具体的なシナリオを説明できるかが注目される。

憲法改正と安全保障は同じ方向性

希望の党イメージ動画より

 一方、両党の方向性がほぼ同じなのが憲法改正と安全保障・外交政策だ。小池氏は憲法改正について「九条の1点だけに絞って議論するのがいいのか」と安倍首相の手法に疑問を投げかけている。

 名古屋学院大学の飯島滋明教授(憲法学・平和学)は「小池氏は“安倍首相と一緒ではない”と言いたいだけ」として次のように話す。

「憲法のどこをどう変えたいのか詳細な説明がない。新党だから違いを打ち出しただけで、いずれ九条改正にも切り込んでくるのではないか。選挙は国民のさまざまな声を拾う役割もある。憲法改正反対の声はどこが拾ってくれるのか心配だ」

 希望の党が掲げる「現実的な外交・安全保障政策」にも危険な匂いをかぎとっている。

「小池氏は防衛相のとき、沖縄の米軍普天間飛行場の辺野古移設を乱暴なやり方で推進した。安保法制にせよ、北朝鮮対応にせよ、小池氏の言う“現実的”とは強硬的な行動を示すのではないか」

 と飯島教授。

 希望の党が指し示す「希望」とは何か。それが私たちの「希望」とどのくらい合致するのか。

 しっかりチェックしたい。