こういう、自分を正当化して他人を罰したい女は厄介だし、関わりたくないものだ。微笑みながら後ずさりして、距離を置いていくしかない。これ、子どもには非常に難しいことだが、全力で逃げてほしいと思う。

自分の思い通りにならないのが許せない女

 このドラマにはもうひとりの毒親が登場する。井上の母(手塚理美)は精神的支配と洗脳を繰り返す毒母である。ドラマのタイトル『明日の約束』というのは、井上が幼少期から毎日強いられてきた約束のことである。

 ノートには毎日、手塚の支配欲が綴られている。男の子からラブレターをもらったら「いやらしい」となじられ、「女ぶって気持ち悪い」と罵られたり。「言うとおりにしていればいい」と日々地獄の約束をさせられるのだ。

 井上は母の支配に怯えるのではなく、諦めの境地に至っている。もちろん嫌気がさして、心理学を専攻してスクールカウンセラーになったわけだが、今でも母と同居を続けている。毒母の支配から卒業できずにいるという状況だ。

 うん、重いよね。夜、疲れて帰ってきて、ドラマでこの重みを受けるのは相当キツイんだけど、自分の思い通りにならない女という観点では、オンナアラートが鳴る。

 母と娘の間で支配関係が生まれるのは虐待に近いモノがあるけれど、普通に友人関係でも支配したがる女はいる。キーワードは「あなたのためを思って」である。恩着せがましいったらありゃしない。

 思い通りにならないと、拗ねる、キレる、突如攻撃してくる。あるいは、逆に猫なで声で近づいてくる。DVと同じからくりだ。ほだされてはいけない。