朝ドラ『わろてんか』、笑いが全国に加速中です! てん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)の寄席『風鳥亭』とともに成長していく芸人たち。笑いをビジネスに、と踏み出した大阪『笑売編』を支える面々をクローズアップ!

 まずは注目度ナンバーワンのキース(大野拓朗)。旅芸人の一座で、藤吉とともに育ち、アサリ(前野朋哉)と一緒に新しい漫才の形を目指す。

アサリとこれからコンビを組んで、今のお笑いに通じる、ど突き漫才からしゃべくり漫才へと“進化”していきます」(大野)

 アサリは、歌舞伎役者に憧れたが実力もコネもなく、その顔で役者は無理、と言われて芸人に。キレのあるキースとのかけ合いからは目が離せない!

 東京で娘義太夫としてスターになったが、師匠に不義理をしたと大阪に戻ってきた、乙女心が人一倍のリリコ(広瀬アリス)

リリコの“色気”をいかに出すかに苦労してます。所作の先生からは、肩を落として首をかしげ、歩くときは腰を振りながら……と。私にはまったくない要素なので(笑)、頑張って演じています」(広瀬)

 芸人長屋に引っ越してきたてんと藤吉を親身になって世話をする“おもろない芸人”の万丈目吉蔵(藤井隆)。『風鳥亭』ができるまで芸人としての仕事は、ほとんどなかった……。

まったくおもしろくない、という彼を演じるのは気が楽です(笑)」(藤井)

 唯一(!?)の持ち芸が、後頭部にも面をつけ、ひとりでふたつの役を演じる“うしろ面”。そんな彼に代わって、家計を支えているのが一膳飯屋『万々亭』を切り盛りしている妻・歌子(枝元萌)。舞台を中心に活動している枝元は、『まれ』でケーキ店の常連客役を演じて以来の朝ドラ出演。

きっつい嫁さんで、とにかくバイオレンス(笑)。でも、夫に対して愛があるからこそ、真剣に怒っているんです」(枝元)

 ふたりのケンカは絶えないが、吉蔵の芸より夫婦ゲンカの会話のほうがおもしろいという話も……。

 ちょっと地味なのが曲芸師の岩さん。しかし演じている岡大介は、今回が朝ドラ出演9作目という強者。怪力という芸を『風鳥亭』で披露するシーンはいつになる?

左からリリコ(広瀬アリス)、歌子(枝元萌)、寺ギン(兵動大樹)、亀井庄助(内場勝則)。(c)NHK
左からリリコ(広瀬アリス)、歌子(枝元萌)、寺ギン(兵動大樹)、亀井庄助(内場勝則)。(c)NHK

 忘れていけないのは、『風鳥亭』の前身『鶴亀亭』の席主だった亀井庄助。演じるのは、吉本新喜劇で座長を務める内場勝則。今は愛着のある寄席の行く末を見届けるべく『風鳥亭』で下足番をしている。

 そして、寄席の運営には欠かすことができない、異色の太夫元、寺ギン役は、お笑いコンビ『矢野・兵動』のボケ担当、兵動大樹。元僧侶で、「死人にお経を唱えるより、生きた人間を笑わせるほうがおもしろい」と興行の世界に。これから先、寄席を増やしていく、てんたちの味方なのか敵なのか? 要注意人物ということは間違いなし、です。