目次
Page 1
ー 独身であることや年齢に不安を感じている人に伝えたかった
Page 2
ー 神経質になりすぎるほうが、かえってストレスに
Page 3
ー 遅すぎるということはない

 

「このままずっとひとりだったら……」年齢を重ねるほど、ふと胸をよぎる不安。けれど、ひとりだからこそ手に入る自由や心地よさもある。住まいも、趣味も、人づきあいも“自分基準”。誰かと比べず、無理をせず、「ま、いっか」で生きていく。そんな折原さんの姿は、これからの人生を考える私たちに勇気をくれる―。

独身であることや年齢に不安を感じている人に伝えたかった

 “おひとりさま”という言葉に、あなたはどんなイメージを抱くだろうか。

 かつては“さみしい”“孤独”といった印象を重ねる人も少なくなかったが、いまやそれは過去のものになりつつある。“おひとりさま”は、ひとりの人間として自立し、自分らしい人生を選び取る生き方を表す言葉へ。

 そんな“おひとりさま”のイメージを大きく変えたひとりが漫画家・小説家の折原みとさんだ。1964年生まれ、現在62歳。

 自らを“60代バツなしおひとりさま”と名乗り、“おひとりさま”ライフを楽しむ姿をSNSや書籍で発信。その明るくポジティブな生き方や言葉は、同世代に限らず、多くの人の共感を集めている。

結婚や家族を持つことを否定しているわけじゃないんですよ。仕事や出逢いのタイミングでたまたま“おひとりさま”なだけ。でも、ひとりでもごきげんに暮らしている人がいる。その姿を、独身であることや年齢に不安を感じている人に伝えたかったんです。“おひとりさま”も、悪くないよって」(折原さん、以下同)

 折原さんの充実した“おひとりさま”ライフを支えているのが「住まい」だ。21歳で漫画家としてデビューし、2年後には小説にも挑戦。100万部を超えるヒット作を生み出すなど、仕事一筋の道を走り続けてきた。

当時は東京のマンション住まいで、昼夜逆転の生活。恋人ができても仕事を優先してしまい、デートをキャンセルすることも多くて、なかなか長続きしませんでした

 仕事は好きだし、充実はしていたが、締め切りに追われ、仕事漬けの日々。

30代に入ったころから不安を感じるようになりました。自分の中にあるものをアウトプットする職業だけに、締め切りに追われる日々では、書きたいものがなくなってしまうのではと。そんなとき、たまたま取材で小笠原諸島を訪れたんです

 果てしなく広がる海と豊かな自然、そして島の人々が刻む穏やかな時間の流れ。その体験が、折原さんにとって大きな転機となった。33歳のとき、海に近い湘南に思い切って移住した。

海から富士山まで見渡せる高台で、景色の良さがいちばんの決め手でした。リラックスできる住まいにしたくて、自分で間取り図を描きながら一軒家を建て、ひとつずつ好みのインテリアをそろえていきました。そして、ゴールデンレトリバーを飼い、子どものころから憧れていた“犬と暮らす”という夢もかなえました