大谷翔平

 “メジャーで二刀流”――。MLBのロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平投手(23)が、ずっと目標に掲げていた夢が来年4月に現実のものとなる。

 花巻東高から2012年ドラフト1位で日本ハムに入団。当時から投手と打者をこなす“二刀流”として注目され15年には15勝をあげ最多勝投手に輝いた。

 翌'16年には投手として10勝、打率.322、22本塁打、67打点の活躍で、チーム10年ぶりの日本一に貢献。MVPも獲得した。今季は怪我の影響もあり、3勝2敗、防御率3.20、打率.332、8本塁打、31打点と不本意な成績に終わったが、シーズン終了後、高校以来抱いていたメジャー移籍の夢を実現させた。

 大谷は12月25日、日本ハムの本拠地・札幌ドームでサヨナラ会見に臨んだ。
 
「大谷が最初に英語で挨拶すると、集まったファンからはどよめきが起こりました。大谷も『笑ってもらえて良かったです。僕からは1つ、皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです』と、終始笑顔でファンの声援に応えていました」(スポーツ紙記者)

 会場には大谷の両親も訪れ、旅立つ息子の晴れ姿を見守った。

「会見には栗山英樹監督も同席し、エンゼルスのユニホームを着た大谷と最後のキャッチボールをしました。大谷の二刀流の挑戦をずっと支えて、彼を守ってきたのは栗山監督」というのはスポーツジャーナリスト。

野球以外のことでも監督は、マスコミへの対応などをさりげなくアドバイスしていました。人気選手になればなるほど、プライベートでも注目されますし、良くも悪くも取り沙汰されますからね。特に女性関係などは針小棒大に書かれますから、そういった雑音には気を付けていましたね」(同)

 インタビューなどでも「高校時代も、今も彼女はいません」と答える大谷を巡っては、女子アナのバトルも繰り広げられたという。

有名なのは同じ岩手県出身のフジの久慈暁子アナや、取材の時にやたらと馴れ馴れしいと顰蹙(ひんしゅく)を買った加藤綾子、他にも年上の地方局アナウンサーやモデルなどの名前が挙がっていました。

 一時は女子アナの取材禁止、という強行策もとったようです。でも大谷本人はまったくその気はないようですし、メジャーへ行けば当面女子アナからは解放されますからね。本人も、むしろ“94年会”のメンバーと会う方が楽しいと言ってるぐらいです」(前出・ジャーナリスト)

 “94年会”とは、大谷と同じ1994年度生まれのアスリートたちが“発足”した会だという。プロ野球では「イチロー世代」の1973年度生まれの「昭和48年会」、80年度生まれの「松坂世代」で作った「昭和55年会」、88年度生まれのヤンキース・田中将大、巨人・坂本勇人、ドジャース・前田健太が発起人となった「88年会」がある。

いずれも東日本大震災の復興支援や野球教室などを中心に幅広く活動しています。それにちなんで94年生まれのアスリートで何かやれれば、と大谷らが考えたそうです」(前出・同)

 94年生まれと言えばプロ野球でいえば広島カープの鈴木誠也、阪神の藤浪晋太郎北條史也らがいるが、水泳の金メダリスト萩野公介選手、瀬戸大也選手、柔道のベイカー茉秋、そしてフィギュアスケートの羽生結弦選手も同級生という錚々(そうそう)たる顔ぶれだ。

「全員が顔を揃えることは難しいですが、トレーニング方法などを情報交換をしているようです」(同)

 大谷の投手デビューは、早ければ4月2日からの本拠地開幕戦のインディアンスとの3連戦と言われている。“野球の神様”ベーブ・ルース以来の二刀流選手として、大谷が記録に残る日はもうすぐだ。

<取材・文/小窪誠子>