家族の思いがつづられた署名は全国から集まり、先月21日で2万筆を超えた。引き続き今月31日まで募集中

沖縄を知らない人からの中傷

 子どもたちの周辺で事故が相次ぎ、副代表の当山なつみさん(32)は、見上げれば米軍機がある「普通の環境」に疑問を抱くようになった。

「子どものときから米軍機が頭上にあって、落ちてこないだろうと思って暮らしてきたけれど最近、実は落ちてくるほうが当たり前なんじゃないかと思い始めていて。

 危ないからどうにかしてほしい、安全な場所で安心して生活したいと声をあげたところで、気に入らないなら出て行けと叩く人がいる。ただのわがままみたいに言われたりする」

 と当山さん。落下物のあった保育園や小学校も、こうした中傷にさらされている。インターネットで同校を検索すれば「やらせ」「住むのが悪い」といったSNSの投稿、動画がいくつも見つかる。

「そういうネットの声を、子どもたちは確実に目にしているはずです」(森さん)

 緑ヶ丘保育園へ中傷が殺到するようになったのは、落下物に対し、米軍が大型輸送ヘリの部品であると認めたものの「飛行中に落下した可能性は低い」と否定的な見解を示してからだ。

 神谷武宏園長によれば、メールでは1日にあるかないかの量に減ったが、「自作自演」などと罵倒する電話は今も続いているという。

「事実確認せず、現場も見ないで、沖縄の状況も知らないで言っているとしか思えない。かけてくるのは、ほぼ男性。ほとんどが“本土”からです」

 と神谷園長。相次ぐ中傷には、国や政府による沖縄軽視の姿勢が反映されているのではないかと指摘する。

「国は、市民の言うことは聞かず、アメリカの言うことを鵜呑みにして(事故を起こした輸送ヘリ)CH53Eの運用を容認しています。北朝鮮の問題で緊迫しているのかもしれないけど、私たちにとっては、米軍の落下物やヘリが落ちてくる恐怖のほうが数倍も大きい。沖縄の人たちの命を軽視してまで飛ばす理由がどこにあるのか

 普天間飛行場がある場所は、かつて村役場や学校が並ぶ生活の場だった。米占領下で強制的に土地を奪われ、しかたなく基地の周囲に住み始めたのだ。

 歴史をみれば「住むのが悪い」は的外れだとわかる。「なぜ沖縄に基地が集中し、今、日本が平和なのか。弊害はどこで起きているのか。本土の人たちは知るべきです」