次に住まいはどう変わるのか。日本人は1度、購入した家に住み続ける意識が強い。

 不動産コンサルタントの清水稔さんは、

「郊外の4LDKの2階建て住宅に単身で住んでいたら、維持管理費や固定資産税の支払いだけでも大変。間取りは2LDKあれば十分、バリアフリーでセキュリティーも確保されているマンションのほうが高齢者は住みやすいかもしれません。商店や病院にも近く利便性を重視した土地にうつる人も増えるでしょう」

 とライフステージに合わせた住み替えの必要を強調する。

低所得・未婚・単身世帯

 将来、利便性のいい地域は単身の高齢者が多く暮らす街になるかもしれない。

永代供養墓。13回忌、33回忌と希望に応じ供養、その後ほかの遺骨と合祀される

 お墓も、家族単位の先祖代々の墓から個人が葬られ方を選択できる時代へと変わる。

「単身高齢世帯が注目しているのは、血縁者がいなくても供養を続けてくれる永代供養などです。石のお墓だけでなく、霊園の敷地や山、草木の下にご遺骨を埋葬したり、手入れのしやすい室内の納骨堂などで選択できます」

 と話すのはお墓や葬儀に関するポータルサイトを運営する鎌倉新書の榎本佳子さん。

 ほかにも生前葬や故人と親交があった友人たちが葬儀とは別の形で故人を偲んで『お別れ会』を開くなど、弔いの形も多様化しているという。

 そして身寄りがなくても、見送ってくれる人たちがいる。

 神奈川県横須賀市では、生活に困窮する高齢の単身世帯などを対象に、約25万円の低価格で葬儀から永代供養までを請け負うエンディングプラン・サポート事業を'15年から行う。家族に代わって葬儀や弔いのニーズを聞き、最期は故人を見送る。同市福祉部の北見万幸次長は訴える。

「生活に困っていても人生の最期の意思を尊重することは大切なことです。ひとり暮らしの高齢者は増え続けます。今後、同様の取り組みは各地に広がるでしょう」

 こうした背景には、未婚で高齢の単身世帯が将来的に増えることがある。

「単身世帯の高齢者といっても未婚か配偶者との死別か、子どもがいるかいないか、貯金の額など、資産や経済状況によっても大きく異なります。最も厳しいのは今40~50代の非正規雇用で未婚、社会保険料を払う余裕がない、貯金もないという人たちです」

 と、指摘するのは社会保障問題に詳しい日本福祉大学の山上俊彦教授。

「低所得層で未婚の単身世帯は22年後、生活保護に頼らないと年金だけでは生活できない状況になることも予測されます。特に単身の女性が生活に困窮した場合、長く厳しい生活を強いられることは想像できます」(山上教授)