本音を言えば来てほしくない

 騒音、ゴミの分別、セキュリティーの問題はあるが、ようやくスタートについたところなのだ。石井氏は、

「民泊に対し、偏見を持ってしまいがちですが、トラブルを出さないように考え一生懸命やっている人もいます」

 と今後の発展に期待する。

マホ片手に宿泊先を探す旅行者いずれも台東区で

 民泊をよく利用するという都内在住の30代女性は、

「バンドの追っかけをしているので、友人たちとライブの遠征で利用します。宿泊料金がホテルより安いのがいい。音楽スタジオを経営しているオーナーさんの宿に泊まったときはバンドの話で盛り上がったこともあります」

 と有意義に活用している。

「新法ができて不安なことがなくなるのであれば、大歓迎ですね。前よりずっと安心して泊まれます」(前出・女性)

 東京・台東区上野の老舗商店主は、

「本音を言えば心配事のほうが多いので、周辺に民泊は来てほしくないですね」

 と吐露。閑静な住宅街にある同店。現在も近所にある外国人が多く泊まるゲストハウスの騒音に悩まされている。

「オーナーは“何かあったら言ってくださいね”と言われているので苦情を言いにいったことがあります。でも、何度も言っているうちに、自分がクレーマーのような嫌なやつに思えてきて……。ほかの住民もうるさくても文句を言わないで、結構我慢していると思いますよ」(前出・店主)

 民泊解禁に先駆け、観光庁は3月末に民泊の基礎知識や制度、申請者向けの情報が入手できるポータルサイトを立ち上げ、苦情や相談を受け付けるコールセンターも始める。宿泊客、業者、周辺住民を巻き込む本格的な“民泊元年”が、民泊のいい面・悪い面を抱えながら動きだす。日本の風景はどう変わるのだろう。