3人が「ローカルメディアに目を付けた」意味

 ローカル局への積極的な出演という現状を見て、安易に”都落ち”と片づけてしまうのは少々短絡的である。

 在京キー局ではなく地方ローカル局、その選択へたどり着く間に、業界のどんな力学が働いていたのかはわからないが、むしろこの事例は「新しい地図」というプロジェクトが「ローカルメディアに目を付けた」という点を重要視すべきだ。

 東京のマスメディアも地方のマスメディアも、SNSの世界の中では一気に等距離になる。たとえば今回のインタビューに関しても、一方では地方限定の密接なプロモーションでありながら、もう一方では稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾という全国共通の話題として、その放送内容は番組や出演者、そして視聴者によってインターネットであっという間に拡散されていった。

 そして東京で行われたパラ駅伝というイベントの内容や、何よりも伝わるべき「彼らの新曲の売上金がパラスポーツの応援チャリティーソングとして全額寄付の対象になる」という話題はやがて、取り上げるテレビ局の少なかった地域にも、きちんと鮮度を保ったまま伝わっていったのである。

 人材も話題もしがらみも、東京一極集中のこのご時世、抜群の知名度と実力、そして百戦錬磨のブレーンを持つ彼らが「ローカルメディアに目を付けた」のは、そういう強い意味を持っている。