30人いた従業員を7人に

 ホテルといえば、人間による手厚いおもてなしのイメージ。そんな常識を覆したのが、H.I.S.グループが展開している『変なホテル』だ。

 チェックインから客室でのサポート、共用スペースの掃除など、ホテル内業務のほとんどをロボットがこなす。

 長崎県のハウステンボスでは'15年の開業後、当初30名いた従業員を、'18年3月時点で7名まで削減。仕事の効率化を図り、運営コストを下げることで、生産性を高めることに成功しているという。

「ハウステンボス園内の5つ星ホテルに比べて、比較的、安価に泊まれるということで若い方からファミリーまで多くの方にご利用いただいております。チェックイン時には日・英・中・韓の4か国語に対応しているため、海外のお客様も多いです」

 と話すのは、ハウステンボス経営企画室の中野裕子さん。

 '17年には、バーでお酒を注文・決済から提供まで無人で行う『変なバー』も同施設にオープン。店内に設置されたタブレットで注文決済をして、カクテルやビールのサーバにグラスを置くことで、自動でお酒を注げるようになっている。

『変なバー』ではタブレットの「アヤドロイド」を操作することで酒が飲める
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 しかし、すべてがロボットの運営とはいかず、人間にしか作業できない部分も残されている。

「客室のベッドメーキングや細かな部分の掃除などは、人の手が必要。自動販売機への商品補充であったり、つり銭の管理、そのほか、団体客の受け入れやロボットの管理業務も、人間の仕事です」

 ちなみに『変なホテル』とは、変わったホテルという意味ではなく“変化し続けることを約束するホテル”という思いがこめられているとか。今後はホテル内に無人コンビニを設置する計画もある。

「お客さまの声を反映してロボットの数や種類も変わっていくでしょう。実際に実証実験を重ねた'17年以降に多店舗展開を始め、変なホテルは'18年も全国のあらゆる都市でのオープンが予定されています。生産効率の高い環境へ配慮したホテルとしてのノウハウを活かし、労働人口が減少していく今後、求められる形態のホテルになってくるのではないでしょうか」

ロボットが注文から洗い物までをこなす『変なカフェ』

 今年2月には『変なホテル』で培ったロボットの技術を活用した『変なカフェ』を東京・渋谷にオープン。

 接客するのは、同時に複数杯のドリップコーヒーを淹れてくれるバリスタ・マシンの“ポアステディ”と、コーヒーカップを運んだりコーヒー豆をひいたりといった人の手による作業を担ってくれる“ソーヤー”の2台。

 本格ドリップコーヒーを淹れるロボットが日本で稼働しているのはまだここのみ。近い将来“うまいと評判の店のマスターがロボットだった”なんて日が来るかもしれない……。