意外と知らない福生市の外国人比率

 東京に話を戻すと、離婚率が低い多摩エリアの中で、福生市周辺だけが1%を超えており、異様に高いことに気づく。

 福生市は、知名度は低いが、市の1/3が横田基地という「基地の街」である。市の南端にある拝島駅からは、米軍・横田基地への専用線が延びており、ジェット燃料の貨物輸送が行われている。

 横田基地は、瑞穂町や武蔵村山市などにも跨っているが、その玄関口は福生市で、青梅線の福生駅や牛浜駅が最寄り駅だ。登山客が多いイメージの青梅線だが、この辺では米軍関係者を多く見かける。

 このような街だけに、多摩エリアの中では断トツに外国人比率が高い。しかも、この数字には米軍関係者は含まれない。インターナショナルな街だけに、外国人にとっては住みやすいのだろう(ちなみに、現在の福生市は、アメリカ人ではなく、ベトナム人とペルー人の割合が高い)。米軍基地が多い沖縄にも、同じことが言える。

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 都内の市区町村を比較しても、外国人比率と離婚率には相関関係がある。異文化が共存するところは、様々な事情を抱えた人たちも受け入れやすいのかもしれない。

 青梅特快(中央・青梅線)に乗る機会があれば、離婚率を意識してみると面白い。

 始発駅がある千代田区(東京駅)は平均的だが、日本最大の繁華街がある新宿区(新宿駅)で離婚率が一気に高くなり、そこから中野区(中野駅)、杉並区と徐々に下がり、人気の武蔵野市、三鷹市の両市(三鷹駅)で0.6%以下になり、小金井市、国分寺市(国分寺駅)まで続く。そして、知られざるインターナショナルな街、福生市(牛浜駅、福生駅など)に入ると急上昇するのだ。

 青梅特快が走る路線は、高架が多いためアップダウンは少ないが、家族像の変化は激しい。その沿線に注目すると、街の雰囲気を大事にしているところは、イメージだけでなく、離婚率も低いことに気づく。住む街を選ぶというのは、思った以上に重要なことである。