御嶽海の勝敗が、挨拶がわり

 木曽郡上松町は、長野県南西部に位置する、駒ヶ岳のふもとの小さな町。町のホームページには「ひのき里」とある。

 御嶽海は2015年3月場所にデビューして勝ち越し。翌5月場所には十両(関取)に上がるとんとん拍子の出世で、小さな町は突如、誕生した大相撲のスターに、沸きに沸いているのだ。

2017年、週刊女性のインタビューに応じる御嶽海
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「なんちゅったって町にはそうそう話題もないから、挨拶がわりに『今日は勝ったな』とか『明日はどうなるんや』って、場所中は毎日がそんな。町の話題の中心が御嶽海なんだなぁ。それがだんだんと長野県全体に広がっていった。

 長野県の人は昔から地元愛が強いで。山の多い長野県では集落は谷づたいにあり、昔は隣の集落に行くには、山を越えて谷を降りなきゃいけない。自然と、人と人のつながりが強くなって、よう話し合うようになった。それが長野県民。そんなだから御嶽海の応援にみんなが燃えるわけだ」

 なるほど、急しゅんな山の多い長野県という土地柄で、強い連帯感が芽生える県民性ゆえか。

 さらに言えば長野県、昭和の時代はスポーツの弱い県の代表とも言われた時代もあったとか。高校野球も出たら負け……。

 大相撲の世界で言えば、御嶽海は長野県出身関取としては7人目で、十両昇進は37年ぶり、幕内昇進は39年ぶり、三賞受賞は65年ぶり、三役昇進は84年ぶりという、本当に久々の長野県出身の相撲界のスターだ。

 さらに今場所に優勝すると、長野県出身力士としては江戸時代に活躍した伝説の力士、雷電(らいでん)以来、200余年ぶりというから、御嶽海、そりゃもう、長野県民なら応援するしかないでしょう! 

 さらに御嶽海は「相撲を見てればわかるだろうけど、土俵際で相手を負かしてもダメ押しせずに、かばうようなところがある、気持ちの優しい子。素直で、でも芯の強いとこもある」と、文房具店の原さんもメロメロ。御嶽海、愛される人柄なのだ。

 そして、もうひとつ、愛される大きな理由がある。