遺体で発見された昇さんは、氏家容疑者の3番目の夫という。2番目の元夫の両親に話を聞くことができた。

 もともと中学時代の先輩後輩の間柄だったが、大人になり再会し結婚したという。

「すでに彼女には、前の夫の子どもがいたね。子どもを連れていた彼女に息子がたまたま会って、それからお付き合いが始まった。それですぐに結婚したかな」と母親。

「私は反対していたんです。はっきり相手のことがわかるまでは、子どもは絶対つくるなって言ったんですけどね」

 ところが、妊娠が発覚。

「子どもができたからって家に連れてきて、責任を取るってことでした。その前から結婚はしようと思っていたらしいですけど、元嫁は1回目の結婚のときに借金を作って別れたって聞いたからねぇ」

 と父親も渋い表情で、

「結婚生活も1年くらい」

 短い結婚生活だったため、

「実際の人となりはわかりませんけど、最初から嫌だなって感じはありました。よい印象がないんです」

 という母親が今でも覚えているのは、

「息子が中学生のとき、彼女の家に遊びに行ったんですけど、夜遅くになっても帰ってこなかった。当時の彼女はまじめに登校しないで家で遊んでいたんですよ」

 氏家容疑者の育児に関しても“よい印象”はない。

「市から電話があって、“お子さんを預かってもう1か月になるけど何にも連絡がないから、ちゃんとした施設に移すことになりますけど、よろしいでしょうか”と言われて、もうビックリしました。子どもは当時1歳ほどでしたが、施設に預けているなんて知らなかったですよ」

 借金してまでブランドの子ども服を着させるなど、他人の目を必要以上に気にして、見栄をはっていたという容疑者だが、本性までは着飾れなかった。