仕事への熱意とご主人の理解

 働く女性の先駆者ともいえる石橋さん。その間、結婚、出産、子育てもすべて経験してきた。仕事と家庭の両立には、ご主人の理解が大きかったという。

「主人がテレビ局の社員だったこともあり、結婚後も“君にしかできない仕事なのだから”と続けることを応援してくれました。とはいえ、家事も育児も手伝ってくれたわけではないんですよ(笑)。でも、当時もいまも、働く私を応援してくれる主人には感謝しています

収録中には花びら1枚、落ちないように心を配る 撮影/北村史成
収録中には花びら1枚、落ちないように心を配る 撮影/北村史成
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 77歳の現在まで元気に第一線で活躍し続ける秘訣は何なのだろう。

「私の場合、先輩も上司もいなかったので、私が“これでいい”と決めれば、それですむ仕事です。だからこそ手を抜くことはしたくありませんでした。誰かに決められた合格点でなく、自分で決めた合格点を常に目指してきました。

 つまり私の仕事に対する満足は、人からの評価ではなく“自分で納得できる仕事ができたか”どうか。結果に左右されず、一生懸命、自分が納得できる合格点の仕事をしていれば、“また次、お願いね”という信頼関係が育っていきます。そして、それがまた次につながって……。その繰り返しで、いつの間にか50年も、この仕事を続けることができたのだと思います」