出所後も不審な行動を

佐藤容疑者が8月から住みはじめていたアパート

 地区の区長宅以外でも、佐藤容疑者が周囲をぶらつく姿が見られていた。カラオケ喫茶の男性店主(69)は、

「自転車でウロウロしているのを見たよ。最近は、麻生財務相がかぶるようなツバの広い帽子をかぶっていたけど、周囲をキョロキョロ見回して、挙動不審だった」

 '14年10月に、自らが経営するスナックで佐藤容疑者に現金を盗まれたという被害女性も、出所後の佐藤容疑者を目撃したという。

「私がたまたま昼間にお店に用があって行ったのよ。そうしたら、佐藤が私の店の前で鍵穴をじっと見つめているの。私に気づいたらサッサと行っちゃってね。また盗みに入ろうと考えていたのよ、きっと」

 どこまでも懲りない男だが、及川さんも被害に遭っていた。

「今年7月に刑務所から出所してきた佐藤容疑者は、及川さんが経営するアパートに侵入し、警察に通報されていたようだ」(全国紙社会部記者)

 刑務所から差し出した変態ラブレターに綴った思いが届かず、74歳の佐藤容疑者は80歳の及川ヨシコさんへの憎しみを募らせたのか。手紙にはこんな一節もあった。

《ヨシコに本当に捨てられたら死ぬしかないよ(中略)ヨシコの所にしか帰る所がないもん どこにも行く所がないもん ヨシコのことが好きだ大好きだから》

 こんな品性下劣な手紙で口説かれる女性などまずいないだろう。

 関係者によると、及川さんは「はっきりモノをいう人」「気性が激しくお金にはきちっとした人」と周囲の目には映っていた。

 及川さんと付き合いのあった生け花の先生をしていた知人女性(70代)は、

「明るく話をする人でね、暗い部分をあんまり見せないの。お話も上手で、みんなを楽しい方向に持っていく人でした。お花の先生をやりながら、以前は飲み屋をやられていたから、お話も上手だったんだと思います」

 そんな及川さんに恋をした佐藤容疑者は、とにかく金がなかったようだ。

佐藤容疑者の実家はボロボロで……

 周囲の飲食店に顔は出すものの、世間話を続けるばかりでいっこうに注文はしない。店主が気の毒に思ってサービスでコーヒーを出すと、行為に甘えて来店を繰り返し「もう来なくていい」と言われる始末。金には不自由していたとみられる。

 捜査関係者によれば、及川さん宅の玄関は施錠されており、窓から佐藤容疑者は侵入したとみられる。

 刃物を持ち、一方的に思いを募らせた女性の寝室に侵入した古希の男は犯行直前に何を思ったのか……。