立川市が、大坂なおみ選手出場の大会チケットを『ふるさと納税』の返礼品にしたことで、再び注目を集めた『ふるさと納税』。この名前だけは知っているけれど、仕組みを知らない人が、まだまだ多いのではないでしょうか。税理士で現役モデルの日沢新によるお金にまつわる連載。今回は、知ってみると意外と面白い『ふるさと納税』を、やさしく解説していきます。

9月19日、東レ パン・パシフィックに出場した、大坂なおみ選手

チケットが返礼品の『ふるさと納税』の金額は?

 大坂なおみ選手が出場したことで、連日、盛り上がりを見せた「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント2018」。全米オープンで優勝した次の大会だったので、なおみフィーバーが巻き起こり、前売りチケットはあっという間に完売してしまいました。

 さらに立川市が、この大会チケットを『ふるさと納税』の返礼品としているとお昼のニュースが伝えると、『ふるさと納税』への申し込みが殺到!! たったの30分で“受け付け終了”の事態となりました。

 さて、この大会チケットが返礼品になっていた『ふるさと納税』の金額は、いくらだったかご存知ですか?

 7万円です。「高っ!!」 『ふるさと納税』の仕組みを知らない方は、そう思うのではないでしょうか? 正規で買うとこのチケットは、2万1000円です。

 ですが、7万円で『ふるさと納税』をした人たちは、実は、このチケットを2000円で手に入れたことになるのです。

 7万円出して、2万1000千円のチケットをもらって、でも、実費は2000円しか使っていない? いったいどういうことなんでしょう!?

 では、『ふるさと納税』について、わかりやすく解説します。

『ふるさと納税』って、そもそも何?

『ふるさと納税』は“納税”という言葉を使っていますが、正確にはその自治体への“寄付”です。そして“ふるさと”とありますが、自分の故郷だけではなく、全国各地どこの自治体にも寄付ができるのです。

 自治体は寄付をしていただいたから、お礼をする。それが返礼品です。

 返礼品の金額は、寄付をしてもらった金額の30%以内とされています。

 テニス大会のチケットが返礼品になっていた『ふるさと納税』の金額は、7万円。その30%の金額は、2万1000円。正規チケットと同額になります。

 では、“実はこのチケットを2000円で手に入れたことになる”というのは、どういうからくりなのでしょうか?