「風太くん」は、日本平動物園にいたときに木に寄りかかって立つ癖があったそう。そして移住先の千葉市動物公園には寄りかかる木がなかったものの、癖を発揮したことで、直立不動ポーズが生まれて超人気者になったのだという。

 そんな日本平動物園で生まれ、一躍レッサーパンダ人気を高めた風太くんの“DNA”を、双子の兄妹が紡いでいくに違いない。彼らはどんな顔を見せてくれるのだろう。

「今後、双子の赤ちゃんたちがどんなドラマを作り出すのか、一緒に楽しみながら見守っていただけたらうれしいですね。たくさんの方に、レッサーパンダの魅力を届けていきたい」(平田さん)

 12月には名前が命名される双子の兄妹。どんな名前に、どんな兄妹に成長していくのか……、日本平動物園でレッサーパンダの歴史の証人になるしかないでしょ♪

双子の“叔父ちゃん”15歳になった風太くん
今も“たま~に”立ち上がるんです!

 '05年、流行語大賞の自然・環境部門にノミネートされるなど、一躍“時の人”ならぬ“時のレッサーパンダ”になった風太くん。10年以上、飼育を担当してきた千葉市動物公園・濱田昌平さんにお話を伺うと――。

風太は人間にしておよそ70歳。立ち姿もちょっと腰が曲がった!? 写真左・2005年、写真右・2018年
風太は人間にしておよそ70歳。立ち姿もちょっと腰が曲がった!? 写真左・2005年、写真右・2018年
【写真】可愛すぎて困っちゃう!! 赤ちゃんレッサーパンダ&現在の風太の様子

人間で言うと70歳程度に相当する満15歳を迎えて、風太もすっかり“風太さん”といった落ち着きがあります。かつてのように活発に動き回るよりも、今は昼寝を楽しむほうが好きですね。ですが、エサを与えると今でも立ち上がる往年のポーズは健在ですよ。

 今年は『風太15プロジェクト』と銘打ったさまざまなイベントを展開中で、現在は風太写真展を園内などで開催しています。風太はレッサーパンダの知名度を全国区に押し上げた功労者なので、節目の年に盛大にお祝いをしてあげたかったという気持ちがありました。当時を知らないお子さんが、風太に手を振ってくれる姿などを見るとうれしいですね。それだけレッサーパンダには人を惹きつける魅力がある。ここで生まれた風太の子どもたちは、現在、全国各地の動物園にいるので、会いに行っていただけると風太も喜ぶと思いますよ」

■静岡市立日本平動物園
住所:静岡市駿河区池田1767-6
営業時間:9:00~16:30(入園は16:00まで)
休園日:毎週月曜日(祝日、振替休日のときは翌平日)、12月29日~翌年1月1日まで
料金:一般(高校生以上):610円 小・中学生:150円(未就学児は無料/団体料金は一般ともに別)
その他詳細は http://www.nhdzoo.jp/

(取材・文/我妻弘崇 撮影/渡邉智裕 写真提供/静岡市立日本平動物園