2017年秋場所千秋楽。殊勲賞の貴景勝(左)と敢闘賞の阿武咲(右)写真/共同通信社

 いよいよ1月13日から大相撲・初場所が始まる。どの部屋でも“無理をしてケガをしないように”と軽い運動中心の稽古調整期間に入っていて、本番前の緊張感が徐々に高まっているところだ。

 力士たちは、昨年12月22日まで続いた冬の巡業が終わって各部屋に戻ると、休む間もなく年末年始の行事や稽古に励んできた。

お相撲さんのお正月

 年末にはまず稽古を始める前に「土俵築(どひょうつき)」があった。

 これは日ごろ使っている土俵を一旦、掘り起し、土俵を作り直す大切な行事。毎場所前に行われているけれど、年末のそれは一年で最も丁寧にやるとか。部屋の力士や呼び出しさんら総動員。2日がかりで行い、昨年何かと話題となった大相撲の“一門”がこういうときに役に立つ。

 人手が足りない部屋では、同じ一門の呼出しさんらが応援に駆け付け、みんなで土俵築を行ったりもする。一門とは、こういうためにある。

 土俵は表面だけでなく、15センチほど深くクワや小型の耕耘機まで使って掘り起し、土を砕き、再び平らに固めて行く。

 その様子は農耕作業にそっくりで、太古の昔に相撲は「農作物の吉凶を占い豊穣を祈る神事だった」ということを思い出させる。以前、そばで見せてもらったことがあるけれど、相撲の原点を見る思いがして感動したのを覚えている。

 そして一般の家庭ではほとんど行われなくなった「餅つき」も行う。

 相撲部屋は日本の忘れ去られていく伝統行事を継承しているが、近ごろは部屋内だけでなく、近隣の幼稚園やショッピングモールなどでも行われている。1日で50キロ、60キロもの餅をつき、近隣の人たちにお雑煮がふるまわれたりと交流が図られたりもする。

 明けて元旦には、部屋に全員が集まって「元旦式」が執り行われた。お屠蘇(とそ)を酌み交わし、今年の抱負を述べ、親方からは訓示や励ましの言葉がある。

 その後に親方とおかみさんから力士たちへ、年齢を問わず(40歳を超える力士もいますから!)お年玉が配られるそう。部屋によってはここで「書初め」も行われ、各力士たちが今年の目標や抱負を書く。

 ツイッターや部屋のブログにアップされている書初めを見ていると、『勇往邁進』とか『泰然自若』といった、さすが力士! 四文字熟語に詳しい! と思うものから、『スタート』とか『健康』とかシンプルな願いも多く、みんなガンバレ~! と目を細めて見てしまう。