「未達成分のノルマを支払うか、12月までに(新規会員を)2人ずつ勧誘するかどちらかを実行してくれ。この条件を飲めば帰れるよ。飲まなければ辞められないよ」

 イベントサークルの退会を申し出た男子大学生(当時19)をそのように脅し、35万3000円の借用書を書かせたとして、警視庁麻布署は恐喝容疑で、自称会社経営の村尾翼容疑者(25)と弟で日本大学4年の村尾光康被告(21)=傷害罪などで起訴=、無職の阿世知信治容疑者(22)の3人を逮捕した。

高額の会費と“手切れ金”を請求

 事件の温床になったのは、イベントサークル『TL』。他大学の学生とも交流できるインカレサークルで、週刊女性既報(2018年12月18日号)のとおり、運営費取り立てをめぐる強盗事件によって乱暴な集金実態が明らかになった。

「2014年、東京経済大学の学生だった村尾翼が創設しました。就職はしていません。『TL』を法人化するとか言っていましたから」

 と村尾翼容疑者を知る男性が証言する。

 大学卒業後、3年たっても村尾翼容疑者はトップの会長として君臨し、弟の光康被告はナンバー2というポジション。冒頭のように大学生から金を脅し取っては、自分たちの遊興費に充て、高級焼き肉や寿司を堪能していたからひどい。

「最高幹部が7人で会員メンバーは約150人。その他の幹部には毎月4人を入会させるノルマがあり、達成できない場合は4人分の会費12万円を代わりに払わなければならない」(前出・村尾を知る男性)

 そして幹部レベルの脱会希望者には、10万円以上の高額な退会費を請求していた。おいしい思いをしていたのは最高幹部だけという。

 一時期『TL』に入会していたという男子大学生、松下幸弘さん(仮名)は、ツイッターで勧誘されたという。

「他の大学の人と交流できるのはいい機会だと感じていましたし、写真を見るとBBQや花火大会など楽しそうな様子だったので」

 と興味を抱いたが、イベントでは雑用係をやらされ楽しむことはできなかった。違和感は、当初からあったという。