今はインターネットなんかも普及して便利に付き合えることも多いけれど、そこはみな同様、そういうものに頼らずに出会いたいって気持ちもあるの。

 そういった思いで足を運ぶゲイのお客たちが多い場所であることを理解して、長くゲイバーで遊んでいる女性やストレートも多いわね。

愚行だらけの“ヤバ客”の顛末

 とはいえ、中にはその逆も存在する。

 昔、アタシの友達が経営するゲイバーで出入り禁止になった女性客がいたんだけど。その彼女、どうやらゲイ同士の性交渉にとても興味があったみたいで、周りのお客さんに「どんなことするんですか?」「男役・女役ってあるんですか?」って、もう聞きたい放題。

 お次は元カレの話で泣き始めてゲイになだめられ、挙げ句の果てには店内で爆睡するっていう……(苦笑)。

 その子が起きてからは、居合わせた常連の女性客にガツンと叱られたわ。

「アナタって自分のセックスに関しても人様にそんなによく話すの? 女だろうが男だろうが、営みの内容なんて知りたくないし、言いたくもないの。だから、根掘り葉掘り聞くなんてどうかしてるの。

 ましてや、店内に入れてもらっておいて泣くは寝るは、いったい何なの? 私も(あなたと同類だと思われたら)遊べなくなるから、もう今後はここに来ないで」

 って。最終的には、出入り禁止にまでさせられたっていうオチ。

 アタシ、この話を聞いたときは、感極まって「その勇ましい常連の女と飲みたい!」 って言ったわよ。

 はたまた、こんなよく出来た常連さんもいる一方で、女性がゲイバーにいるのを目にしただけで「なんでこんな所で女が飲んでんのよ?」 とか、いちゃもんをつける人もいる。

 女性がただ楽しんで飲んでいる場合にはかわいそうだけど、それもしょうがない、と“も”思う。

 でもね、ゲイのほとんどは、女性客に対して「特別に入れてやってあげている」 なんて思っていないのよ。

 ただ、「(ゲイたちのオアシスに)お邪魔させてもらっている」って気持ちと、最低限の配慮は、兼ね備えていてもらいたいものなの。

 だってそこは数少ない、“男たちの秘められた園”でもあるのだから。


《PROFILE》
アンジェリカ ◎愛知県名古屋市在住のドラァグクイーン。テレビ番組『月曜から夜ふかし』や『行列のできる法律相談所』(ともに日本テレビ系)でその美貌と毒舌ぶりを披露して人気に。地上波のほかラジオ番組、各種イベントへの出演や雑誌でのコラム執筆などマイペースにお仕事中。
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