「今まで僕が経験してきた撮影現場とは、何もかもが違って。自分のキャリアの中でオンリーワンの経験ができました」 

 世界で活躍する一流スタッフと豪華キャストが集結した主演映画『サムライマラソン』について語ってくれた佐藤健(29)。

 企画・プロデュースは『ラストエンペラー』でアカデミー賞を受賞したジェレミー・トーマスと『おくりびと』の中沢敏明。監督は、世界をまたにかけ活躍する『不滅の恋/ベートーヴェン』のバーナード・ローズ、音楽は『めぐりあう時間たち』のフィリップ・グラス。

 衣装デザインには国内外で多くの賞を受賞するワダエミという、アカデミー賞受賞スタッフのもとに、小松菜奈、森山未來、染谷将太、豊川悦司、長谷川博己など日本を代表する俳優が集まった。

この撮り方でいい映画が作れるとしたら、今まで何をやっていたんだろうって思うくらい刺激的で、やりがいがありましたね。例えば、台本にあるセリフを言ってもいいし、言わなくてもいい。だから、僕は役柄として、あまりしゃべりませんでしたけど(笑)。

 演じている、その瞬間に言葉にしたいと思ったことは、時代劇作品だからと当時の言葉遣いにしなくてもいいし、所作も気にしなくていい。あとでなんとかするから。とにかく、ナチュラルに生きてくれという現場でした」

 安政2年(1855年)、現在の群馬県にあたる安中藩で心身鍛錬のために行われた日本初と言われているマラソン大会“安政遠足”。この史実をもとに書き上げられた小説を映画化したのが今作。