大黒柱を失った家族に容赦なく襲いかかったのは、治療に対する賛否だけではない。新築したばかりの自宅のローンが、家族にのしかかる。

「当時、大人気の逸見さんは3階建て7LDKの12億円もの豪邸を建設したばかりだったのです。亡くなったあと生命保険などで返済はしたものの、奥さんの晴恵さんは約5億円の借金を抱えたといいます。でも晴恵さんは逸見さんの形見として、家の売却だけはしなかった。逸見さんの関連本を執筆し、全国各地で行われた、がん闘病の講演会を年間100本はこなしました。そして2人の子どもも芸能界に入り、家計を支えました。

 そんな晴恵さんも子宮がんなどを患い、長い闘病生活を経て2010年、子どもたちに“家をよろしくね”と伝え、61歳で他界しました」(前出・元フジテレビ局員)

逸見政孝さんを偲ぶ会、左から妻の晴恵さん、長男の太郎、長女の愛(2006年2月)

 現在、その豪邸には長男の逸見太郎が住んでいる。しかし、約140坪という広さだけあり、維持費だけでも大変だという。

「広いので節約しても光熱費だけで月に10万円以上。固定資産税は年間で400万円以上かかるようで、建築から25年以上が経過し、今後は大規模な修繕費なども増えてくると思います。太郎さんもフリーとはいえ、現在のレギュラーは地方番組1本だけ。いよいよ維持が難しくなって、等価交換で部分的に土地の売却を本気で考えているようです」(芸能事務所関係者)

 家族一丸となって守ってきた逸見さんの形見だが、今の時代、維持は困難だろう。天国で見守る両親も、思い悩む太郎を許してくれるかもしれない。

<取材・文/宮崎浩>