SMAPは生き続けている

 アイドルの枠を超え、老若男女から愛される唯一無二の存在となったSMAP。しかし、幕切れは突然訪れる。平成28年初め、解散危機が報道されると、事態は収束の動きを見せるも、同年8月に解散が決定。

 速報テロップが流れ、号外が配布される……国民的グループの最後が、このような形で迎えられることになるとは、誰が想像しただろうか。ところが、SMAPは生き続けている。

「稲垣、草なぎ、香取が出演したインターネットTV番組『72時間ホンネテレビ』は驚異的な視聴数を記録しました。特に、森くんと再会した場面は多大な反響を呼んだ。

 解散したけれど、まだストーリーを求めている人が、たくさんいるということ。メンバー間の関係性が、どれだけファンや視聴者にとって大切なものか教えてくれたのも、SMAPではないでしょうか」(永田さん)

 SMAP解散後、ジャニーズ事務所もテコ入れに躍起だ。滝沢秀明氏をジャニーズJr.の育成・プロデュースをする関連会社のトップに就任させたのだ。

「滝沢くんが登場した『金スマ』を見て、少年期の彼の極貧生活や誠実な姿に感動した人は多いはず。裏方に回ると宣言してから、知られざる過去を告白するとは。ある種の計算もあるでしょうが(笑)、あの姿を見ると応援したくなる」(鎌田さん)

「彼はJr.時代からプロデュース能力に長けていました。駆け出しのJr.のレッスンを見届けたり、アドバイスを送ったりすることは日常茶飯事。Jr.のコンサートの演出なども手がけていましたから、彼が目指すアイドル像がどういったものなのか、要注目ですね」(今井さん)

 SMAPが作り上げ、SMAP解散とともに新しい扉を開けた平成のジャニーズ史。次代のジャニーズはどうなるのか? 今井さんが見解を示す。

「何でもスマホで調べられる時代ですから、ちょっとミステリアスなほうがいいのでは。他ジャンルですが米津玄師さんや村上虹郎さんの人気は、そういうところもあると思います。安易に情報が取得できないような“ググれないアイドル”のような存在は面白いかも」

 SMAP解散後、ファンからの突き上げや、嵐の活動休止発表、関ジャニ∞からの錦戸亮の脱退報道など、盤石と思われた体制が揺らいできているジャニーズ。男性アイドル界のトップに君臨してきた平成が終わり、新しい時代にどんな“地図”を描くのか──。