お見合いをしたら、話がものすごく盛り上がった。これはいい感触! 「今度、食事にでも行きましょう」と言って別れたし、お相手からは“交際希望”がくると思っていたのに、まさかの“お断り”。「えっ、何で?」という経験をしたことはありませんか? 
 婚活ライターをしながら、仲人としてもお見合い現場に携わる筆者が、目の当たりにした婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は、『感触がよかった相手から、なぜ“お断り”をされたのか』です。

「お断り」されるには、それなりの理由がある

“男慣れ”“お見合い慣れ”は、敬遠される

 結婚相談所の場合、お見合いの結果はそれぞれの仲人に報告することになっています。交際になった場合には、仲人を通じての連絡先交換となるのです。

 なぜ、こんなめんどくさいことをするのでしょうか? 

 これは片方がとても気に入っても、お相手はそうじゃないこともある。そんなとき、お見合いの席で、「連絡先を教えてください!」と言われると返事に窮してしまいますよね。「いや、あなたとは、この先の交際を考えていません」とは面と向かって言いづらいものです。

 先日、男性会員の孝夫さん(38歳、仮名)が波江さん(35歳、仮名)とお見合いを終えて、早々と「今回はお断りでお願いします」と連絡をしてきました。ところが、その後、波江さんの相談室からは、“交際希望”の連絡がきました。

 私は、ご縁がなかった旨をお伝えしました。すると、波江さんの仲人さんから、お電話をいただきました。

「すません、お断りの理由を何かお聞きしていますか? 弊社の会員が申しますには、すごく盛り上がって2時間近くお話をしていたようなんですね。お互いに野球好きで、カープファンなのがわかって、『じゃあ、今度カープの試合を見に行きましょう』という話も出たそうなんですよ」

 この電話を切った後に、私はすぐに孝夫さんに連絡を入れました。

「今日、お見合いをした女性と、カープの試合を一緒に見に行く約束をしたの?」

「いや、約束というか、野球の話になって流れで、そんな話にもなりました」

 断ろうと思っているお相手に、また会うことを約束するような言葉を言うのは、お見合いではご法度です。友達や仕事仲間の間で、「じゃあ、今度ごはんにでも行きましょう」と言って、その約束が実行されないことはままあります。でも、お見合いでは、こうした社交辞令はお相手を傷つけるだけなのです。

 私は、孝夫さんに言いました。

「お断りしようと思っているお相手に、いくら会話の流れだからと言って、できない約束をしてはダメなのよ」