会見の発言はもちろん、内容や姿勢によって、そのイメージは大きく左右されてしまう。ほかにも、まだまだ近年の「しくじり謝罪」の例は枚挙にいとまがない。

ベッキーとゲスの極み乙女。川谷絵音の不倫騒動では、ベッキーは好感度タレントらしく、発覚した当日、すぐに謝罪会見を開きました。そのときに彼とは友人で恋愛関係はないことを主張しましたが、直後に『(会見は)友達で押し通す予定!笑』『センテンス スプリング!』といった会見と真逆の内容のLINEのやり取りが流出。リカバリー不能の事態になってしまいました。

 女子高生に強制わいせつを行った容疑で書類送検された、元TOKIOの山口達也も会見で“しくじり発言”をしました。彼は涙ながらに“許されるのであればTOKIOに戻りたい”と訴えましたが、その甘い考えが猛反発を受けたのです

 このような謝罪会見での失敗は、なぜ相次いでしまうのだろうか。礼儀やマナー本も執筆したあるライターは言う。

「もちろん、それぞれのケースによって違うのですが、いちばん肝心な部分に対しての謝罪をすることが大切です。AAAの浦田さんの場合は、知らない女性に平手打ちしたという事実。そこを、すべて『覚えていません』で押し通してしまった。ベッキーさんも、恋愛関係の事実に大きなウソをついてしまった。よくある『軽率な行動で』などという、どうとでもとれる言動も信頼を得ることはできません。

 そして、謝罪をする相手に対しての誠意がまず見えないといけません。謝る人は、スポンサーやテレビ局への謝罪になってしまうケースが多く、これでは見ている人の共感を得られない。スポーツの各協会や団体もそうでしたが、今はおかしいと思えば誰でも声をあげることのできる時代。世間は当事者が簡単にごまかせたり、だませたりする時代ではありません」

 さらに、会見で謝罪後に行われる質疑応答に関しても注意が必要だと言う。

「浦田さんの場合は、質疑応答での軽さが致命傷になりました。でも、質疑応答の場を設けたのはよかったと思います。

 ベッキーなど謝罪会見は行うものの、そのあとの“質疑応答は受け付けません”というスタイルが時折ありますが、これは論外ですよ。誠意を伝えようとしていると思われるはずがなく、ツッコまれたらボロが出ると言っているようなものです。

 例えばピエール瀧のように、釈放後、報道陣の前で謝罪のみで、会見は行わないというのも、批判はされますが、それ以上のしくじりを起こさないための手段ではあります」(前出のライター)

 謝罪する場の会見なのに、そこでしくじってしまうと、ますます信頼を失うことが多いのが謝罪会見の難しいところ。「すぐ謝罪」の姿勢はもちろん大切だが、まず自身が起こしたことに真摯(しんし)に向き合うことが大切のようだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>