純米大吟醸と純米吟醸の違いって何? そんな、“今さら聞けない日本酒の常識”をThinking Dogsがお勉強!! 今回は、江戸安政4年創業、海老名耕地にある「泉橋酒造」へ行ってきました。当たり前ですが「お酒は20歳になってから」ですよ!

◆Thinking Dogsとは…
 2015年『世界は終わらない』でメジャーデビューした、TSUBASA(ボーカル)、大輝(ドラム)、Jun(ギター)、わちゅ~(ベース)の男子4人によるJ-POPロックバンド。メンバー全員、同じ家に住み共同生活は4年目に突入。平均年齢28歳。
 4人が暮らす4LDKの一軒家『わんわんハウス』。閑静な住宅街にあり、町内会もあれば掃除当番や回覧板も回ってくる。「男子4人、それもバンドマン」という入居者を許してくれる家があまりなく、部屋探しは難航したとのこと。1階はわちゅ~の部屋とキッチン、リビング、トイレが、2階にはTSUBASA、大輝、Junの部屋とバス・トイレがある。

オトナだけど、実は日本酒のことをよく知らない……!

TSUBASA「この前、スタッフさんに“みなさんは、あまり日本は召し上がりませんか?”って聞かれたんだけど……」

Jun「詳しくないから手を出せないっていうのはあるよね」

大輝「あるある! 純米と純米吟醸の違いとか、全然わかんないし……(泣)」

わちゅ~「ワタシたちも大人だし、このままじゃよくないと思うの」

TSUBASA「じゃあ、“今さら人には聞けない日本の常識”を勉強しに行こう!」

 ということで、神奈川県海老名市にある「泉橋造」を訪れたメンバーたち。ここでは、米栽培〜精米〜醸造まで、一環した“造り”が行われています。杜氏(とうじ)さんが着用する法被(はっぴ)をまとって、4人は学ぶ気マンマン!!

泉橋酒造さんに到着!今日は日本酒のなんたるかを学びます!!
泉橋酒造さんに到着!今日は日本酒のなんたるかを学びます!!

酒蔵見学のオキテ!? TSUBASA、大好きな●●を断つ!

大輝「TSUBASAきゅん、ちゃんと“アレ”断ってきた?」

TSUBASA「納豆のこと? もちろん数日前から我慢してるよ(笑)」

 納豆菌が入り込むと造りに影響が出るので、蔵見学の際は、「納豆を食べてくること」は厳禁。茨城県水戸市出身・納豆大好きTSUBASAくんも、朝食の納豆巻きを明太巻きに変えて臨みました。造のスタッフさんも、もちろん納豆を控えるのだそうです。

泉橋酒蔵のそばには、山田錦などが育つ酒米用の、自社で管理している田んぼがあります!
泉橋酒蔵のそばには、山田錦などが育つ酒米用の、自社で管理している田んぼがあります!

純米大吟醸と純米吟醸、純米酒の違い!

 蔵にインする前に、まずはビデオで造りの基本を学習。栽培醸造部の犬塚晃介さんが、日本の基本をやさしく手ほどきしてくれました。

泉橋酒造・犬塚晃介さんのお話に聞き入るメンバーたち。社会科見学っぽい!
泉橋酒造・犬塚晃介さんのお話に聞き入るメンバーたち。社会科見学っぽい!

大輝「(最初に気になることを聞いてみよう…)あの~! 純米大吟醸と純米吟醸、純米って、それぞれ、どう違うんでしょうか?」

犬塚さん「いい質問ですね。まず、純米大吟醸とは“精米歩合50%以下、麹歩合15%以上、アルコール無添加”のおを指します」

Jun「精米歩合とは……?」

犬塚さん「精米歩合というのは“玄米の状態から、どのくらいお米の表層を削ったかの割合”のことで、例えば、“白米”の精米歩合は90%くらいです。ごはんにする白米は、あんまり削ると栄養やうまみがなくなってしまうんですね」

わちゅ~「なるほど!」

犬塚さん「しかし、おを造る場合は、贅沢に磨くことで雑味が取れ澄んだおいしさやキレを引き出すことができるんですよ」

TSUBASA「じゃあ、精米歩合50%っていうと、半分くらい削っちゃってるってことだよね? たしかに贅沢!」

磨かれた酒米のサンプルを見せてもらうメンバーたち
磨かれた酒米のサンプルを見せてもらうメンバーたち

犬塚さん「これが純米吟醸になると、“精米歩合60%以下、麹歩合15%以上、アルコール無添加”のお。純米は、“精米歩合による規定はなく、麹歩合15%以上、アルコール無添加”のおになります」

大輝「へええ!! じゃあ、タイトに削るほどえらいのかな!?」

犬塚さん「というか、個性が異なりますね。クリアさを追求したいときは大吟醸、コクを求めるなら純米といったように楽しむことができます」

Jun「コレを覚えておくだけでも、だいぶ飲み会でドヤれそうだね!」

精米所へGO!! 

精米所なう。簡単には酒蔵に入れない、焦らしプレーを味わっています
精米所なう。簡単には酒蔵に入れない、焦らしプレーを味わっています

 収穫したお米は、もちろん自家精米! 精米所の中は、ふんわりと香ばしい“米ぬか”の香りが満ちています。大量に出る米ぬかは、小学校で提供する給食のパンに使ったり、田んぼにまいたりするそう。おにならない部分も、きちんと使い切るやさしさ!

いよいよ酒蔵にチェックイン!

 神聖な蔵の中は、衛生面を考慮してマスクとヘアネットの着用がマスト。おしゃれなメンバーたちも、もちろんこれに習います。

酒造りに使う、仕込みの水井戸を見学中
酒造りに使う、仕込みの水井戸を見学中

 製麹室を案内してくれる際に、「僕も納豆は大好きなんですが、仕込みの時期に入ると食べられないんです……」と犬塚さん。

製麹室なう。ことさら“納豆菌”に気をつけたいセクションです
製麹室なう。ことさら“納豆菌”に気をつけたいセクションです

 そんな切ない我慢のうえに、おいしいおができあがります。

次は、お酒のタンクに移動!

安全に作業できるよう、酒蔵の神様に手を合わせてご挨拶!
安全に作業できるよう、酒蔵の神様に手を合わせてご挨拶!

 発酵タンクの中は、アルコールを発生させる際に大量の二酸化炭素がでるため、水面からタンクの最上部まではほぼ無酸素状態となり、とても危険。

そろ~りと、発酵タンクの中をのぞくメンバーたち。落ちないように!
そろ~りと、発酵タンクの中をのぞくメンバーたち。落ちないように!

 タンクの上部をそっと手であおぐと、さわやかないい香りがしてきます。

わちゅ~「ああ! いい匂いがする!」

Jun「フルーツジュースみたいな香りだ!」

後ろのタンクに描かれた赤とんぼマークは、泉橋酒造のシンボル
後ろのタンクに描かれた赤とんぼマークは、泉橋酒造のシンボル

 繊細な工程を経てできあがる日本に感動しつつ、次は待ちに待った試飲へ!

自分好みの日本酒を知ろう! 

 いよいよ試飲タイム! 5種類のおを少しずつ飲みながら、風味の違いや味の好みを探ります。

「純米大吟醸とんぼラベル楽風舞」から「純米梅酒山田十郎」(リキュール)まで、5つのお酒を飲み比べ!
「純米大吟醸とんぼラベル楽風舞」から「純米梅酒山田十郎」(リキュール)まで、5つのお酒を飲み比べ!

 種類の異なるおを比べることで、個性の際立ちを感じやすくなるそう。ちなみに、もっとも磨きをかけた純米大吟醸は、精米歩合35%! 研ぎ澄まされた上品な味わいです。

ここで、犬塚さんからアドバイス

犬塚さん「おを飲むときは、かならずお水、“和らぎ水”(やわらぎみず)を一緒にとってください。日本のアルコール度数は15~18度くらいと、決して低めではありませんが、和らぎ水を飲むことでアルコールを中和することができ、深酔いや脱水症状を予防できます。また、口中のリフレッシュにもなるので、おや料理をおいしくいただくことができます」

TSUBASA「チェイサーみたいなものだね。日本に親しんでいる人には当たり前なんだろうけど、ちゃんと意識してなかった!」

大輝「基本のキをちゃんと教えてもらえてよかったー!」

4人「犬塚さん、ありがとうございました!」

Thinking Dogsのみんな、お勉強になったかな!?

「20歳で初めて日本酒を飲んだときは、正直、無理して飲んでいましたね。日本酒いけちゃう自分にちょっと酔ってるみたいな(笑)」(TSUBASA)
「20歳で初めて日本酒を飲んだときは、正直、無理して飲んでいましたね。日本酒いけちゃう自分にちょっと酔ってるみたいな(笑)」(TSUBASA)

TSUBASA「泉橋造さんでの日本造りは、手作業の多さにビックリしました。すべてを機械に任せず、職人の技とバランスを保ちながら造られる日本だからこそ、言葉では表せないようなおいしさにつながっているのかなと思いました!」

「強いお酒はほとんど飲めないのですが唯一、好んで飲むのが日本酒!特に熱燗を愛しています」(わちゅ~)
「強いお酒はほとんど飲めないのですが唯一、好んで飲むのが日本酒!特に熱燗を愛しています」(わちゅ~)

わちゅ~「これまで日本の磨き上げについて抽象的なイメージしか持っていませんでしたが、実際に削られた白米を見ることで磨き上げの意味や重要さを理解することができました! 発酵タンク内でブツブツとガスが発生しているさまは、不思議な中毒性があり見ていて飽きませんでした(笑)

「今までは“じゃがりこ”一筋でしたが、今回の体験をもとに、日本酒に合うアテを探す旅に出たいです」(Jun)
「今までは“じゃがりこ”一筋でしたが、今回の体験をもとに、日本酒に合うアテを探す旅に出たいです」(Jun)

Jun「実は過去にとても日本にハマっていた時期があり、いろいろな日本を飲み比べていました。ちなみに僕は“冷や”で楽しむ派です(笑)。日本が造られている背景を知ると、より一層おいしく感じますね。今回の見学で、また日本熱が蘇(よみがえ)りそうです!」

「犬塚さんのように日本酒愛にあふれる人たちのこだわりと探究心があってこそ、おいしい日本酒が生まれるんだろうな、と思いました」(大輝)
「犬塚さんのように日本酒愛にあふれる人たちのこだわりと探究心があってこそ、おいしい日本酒が生まれるんだろうな、と思いました」(大輝)

大輝「今までは、日本を買いたくても“どれがどんな味なのか”判断する基準がなくて手を出しづらかったのですが、精米歩合やアルコール度数など、ラベルを見てすぐ判断できるとわかったので、それを基準に自分の好みの日本を探してみたいと思います!」

すでにグラスは空!上機嫌の大輝くん(右)と、じっくり純米吟醸を飲むTSUBASAくん(左)
すでにグラスは空!上機嫌の大輝くん(右)と、じっくり純米吟醸を飲むTSUBASAくん(左)
Junくん(左)と、わちゅ~くん(右)のコンビは、純米生原酒でカンパイ!
Junくん(左)と、わちゅ~くん(右)のコンビは、純米生原酒でカンパイ!

 今回ご協力いただいたのは、蔵見学が楽しめる泉橋造さん! 造見学ツアーはサイト上で申し込むことができます。詳細は公式HP(http://izumibashi.com/)にてご確認ください。

泉橋酒造の犬塚晃介さん(中央)、ありがとうございました!
泉橋酒造の犬塚晃介さん(中央)、ありがとうございました!
動画作成:Thinking Dogs Jun

 次回は、Thinking Dogsがピンチに遭遇!? どうぞお楽しみに!!

 連載と連動したTwitter(@sjprime_TD)では、取材こぼれ話や秘蔵写真も楽しめます。

【Thinking Dogsからお知らせ】
◆5月26日(日)茨城県水戸市 千波湖(ふれあい広場)
『茨城総合物産音楽フェスティバル2019(I.S.O.Fes.2019)』
◆5月29日(水)TSUTAYA O-Crest
Thinking Dogs presentpresents「DOG'S CIRCLE vol.2」
◆6月15日(土)渋谷ストリームホール
Thinking Dogs「4th ANNIVERSARY One-man SHOW」
昼:One-man SHOW〜Acoustic Floor LIVE〜
夜:One-man SHOW〜4th ANNIVERSARY LIVE〜

<撮影/吉岡竜紀 構成/Office Victorianjet>