舞台はフルマラソン
ドラマは100メートル走

 街で偶然再会する高校時代の同級生の美郷役の瀧本美織はじめ、同世代のキャストが中心の撮影現場は、充実していたという。

「内藤瑛亮監督とは年齢もそこまで離れていないので意見を出し合って作る楽しさがありました。待ち時間に瀧本さんたちと話しているうちに、自然とセリフの読み合わせになることも多々ありました」

 舞台と連ドラ撮影との違いを聞くと、

「走りにたとえるなら、舞台は42・195キロのフルマラソン。連続ドラマは100メートル走を15時間くらいずっとやる感じかな。じっくり役や演技について考えてから演じる舞台は好きです。もう一方の、限られた時間の中で瞬発力が必要で作りながらどんどん変えていけるドラマも楽しい。

 どちらでも演じてみたい役、作品はたくさんあります。自分にしか出せない雰囲気や色のようなものがにじみ出るような役者になりたいと思っています

 そんな溝端の演技力には、東海テレビの遠山圭介プロデューサーも太鼓判を押している。

溝端さんは、かつての“王子様キャラ”からいろんな経験をされ、円熟味が出始める時期。演技については申し分なく、溝端さんの人間的な魅力と芝居の技術力で洋輔になりきっていただいています。第2話(6月8日放送)後半の、洋輔の狂気を秘めた表情は、本当に怖いです

執拗なストーカー男から美郷を守ろうとする洋輔 (c)東海テレビ
執拗なストーカー男から美郷を守ろうとする洋輔 (c)東海テレビ
【写真】シリアスなシーンを熱演する溝端淳平

 若いキャストのなかでリーダーシップを発揮する溝端らしいエピソードも。

「気温8℃のなかで真夏のシーンを撮影しました。汗に見立て、役者さんに霧吹きをかけたので、非常に寒かったと思います。

 撮影が終わると溝端さんは寒そうにしているキャストの様子をいち早く察し、ご自身のマネージャーさんに声をかけ、自分より先にほかの役者さんにタオルをかけるよう指示していました。

 まっすぐだし、思ったことは全部ぶつけ、いい意味でおせっかい。“昭和の男”という感じです(笑)

 それぞれの心に闇を抱えた戦慄のクライムサスペンス。予測不能な展開の早さについてきていただけたら、うれしいです」

キーマンは怖すぎるストーカー男

 季節は初夏なのになぜかショートのダッフルコートを着込んだストーカー男は、今作のキーマン。

(c)東海テレビ
(c)東海テレビ

「演じる永井大さんはカッコよくて爽やかな方ですが、今作では封印してもらっています。

 メイクで眉の色を落としビジュアル的に怖いストーカーなのですが、手脚が長くスタイルがいい永井さんが全速力で追ってくる姿は、怖さが倍増しています。今までに見たことのない永井さんをお見逃しなく」(遠山P)

オトナの土ドラ『仮面同窓会』(フジテレビ系) 土曜夜11時40分~