「熱中症になったときにとる行動の頭文字をとったものです。FはFluidで水分補給、IがIcingで冷却。RはRestで安静。EはEmergencyで救急車を呼ぶ。軽症のときは上から順に、重症のときは下から行ってください」

 と三宅医師。救急車を呼ぶかどうかの判断については、

「意識がもうろうとしていたり、反応がない場合には救急車を呼んでいいでしょう。

 逆に意識はしっかりしているが、身体がだるい、気持ちが悪いというのであれば、涼しい場所で水分補給をさせます。その際には、必ず自力で飲めるか確認してください。ペットボトルを自分で持って飲めれば、意識はしっかりしていてそこまで重症ではないことがわかる。持てなかったり、飲めない場合には水分補給ができないため、病院で点滴をしてもらいましょう。無理に飲ませると誤嚥して窒息する危険があるため、必ず自分で飲んでもらってください」

 と対処法を示し見守りの重要性を伝える。

体調が悪くなった人を1人で休ませずに、必ず付き添ってほしい。様子を見に戻ると、症状が悪化して、息をしていない場合もある。体調が回復しているのか確認してほしい。回復しなければ病院に行きましょう」(三宅医師)

帝京大附属病院 三宅康史医師
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 さらに高齢者の場合、遠方からでも家族が目を光らせる必要性が。

「高齢者は基礎代謝が低いため、暑いのがそこまで苦じゃないんです。熱中症の死者の8割は高齢者です」

 と、リスクを指摘。居間に温度計を置いてあげ、暑くなる午後2時ごろに電話をし、

「“いま何度になっているの?”と聞き、高かったら“エアコンつけているの?”と確認します。“つけていない、暑くないから”と言うようであれば“悪いけど冷房を入れて。28度に下がったら切ってもいいから”と伝えスイッチを入れさせる。これぐらいケアしないといけない」

 暑さは他の病気のリスクを高めることも。再び三宅医師。

「うまく水分補給できないと、血液が濃縮して心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。また、暑さで食欲が落ち、栄養状態が悪くなり持病が悪化することも。一方、心臓・腎臓が悪いのに塩分や水分をとりすぎると、身体に水分がたまりすぎる肺水腫や心不全を引き起こす危険性もあります」

 変化に気づくには、普段の体調を把握するのが重要で、

「毎朝決まった時間に、自分の体調をチェックしてください。体重を量り、増えていれば水分のとりすぎ、減っていれば脱水状態です。脈拍や体温・血圧の上下を確認し、自分の体調を確認してほしい」

 と三宅医師は呼びかける。

 前出・村木さんは、

「今年は平年並みか少し遅れて梅雨入りするでしょう。海面の水温が上がっているため雨雲ができやすく、平年よりも梅雨の降水量は多くなる可能性がある。梅雨寒と言われる涼しい日が続いた翌日に晴れ、一気に気温が上がると熱中症のリスクがグンと高くなります。今年も注意警戒が必要です」

 夏じゃないからと油断せず、今から万全の準備を!

※帝京大学医学部附属病院の三宅医師監修。重要な項目順に上から並べた